ポータルの扉を叩けばー交差する時間ー

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「ちょっ…それひどくない？！」



北「はやくはやく〜！」



隣に座る北人くんは、ほんのり赤い頬を指差し、翔

平くんは反対してたわりに、ニヤニヤした顔で見て

くる。




いやいや！なに、このやらなきゃいけない雰囲気！




「お酒入ってるからって、私はしないからね！！」




そう言って、私はトランプをまとめていたら出入り

口から入ってくる壱馬くんが見えて、私は名前を呼ぶ。




「あっ！壱馬く…、えっ…。」




入ってきた壱馬くんは一人ではなくて、タイトなミ

ニ丈のスカートがバッチリ、キマッているスタイル

の良い女の人と一緒だった。




その瞬間、胸がズキッと痛くなる。





しかも極めつけは、二人が笑顔で話しながら入って

きたこと。





その人は…誰…？




すると翔平くんが勢いよく立ち上がり、




翔平「サラさんじゃないっすか〜！お久しぶりで

す！！」




サラ「翔平久しぶり！たまたま近くで壱馬に会って

さぁ〜、寄らせてもらったの。あ、北人も久しぶ

り。」





北「どもっす…。」




私の存在が見えてないかのように、挨拶を交わすサ

ラさんと言われている人。




壱「しばらくこっちにいるんですか？」



サラ「そうね。だから私の相手してよね！」


壱「もちろんです。」





なに、相手って…。


どういうこと？




もう胸が痛くて、破裂しそう。





サラ「あれ？もしかして〜…例の？」



やっと私の存在に気づいたのか、長い黒髪をかきあ

げて、目が合う。





「はじめまして…。」



サラ「はじめまして！サラよ。あなたの話しは壱馬

から聞いていたよ。」



そう言って握手を求められる。





「そうですか…。」




どこまで聞いているのか分からない私は、苦笑いで

それしか答えられなかった。




壱「ここのオーナーの娘さんが、サラさんなんだ。

俺らの事情を知ってる唯一の人たち。」





そう言って壱馬くんは紹介してくれるけれど、胸が

苦しくて話が頭に入ってこない。




サラ「それにしても壱馬、前髪長すぎじゃない？」


壱「そうっすか？切った方がいいっすかね？」




サラさんは壱馬くんの前髪を、触る。






なにそれ…。


私がついこの前、切ったら？って言ったら、めんど

くせーからいいよ、と言ってたのに。




私は居ても立っても居られなくなり、




「ごめん、ちょっと体調悪くなったからあっちにい

るね！」




誰の返事も待たずに、別のガレージへ走った。

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