ポータルの扉を叩けばー交差する時間ー

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陸「なんで？！えっ？！」


陣「え、どういうこと？！本物？！」


翔平「いやいや、わたくし幻覚を見ているのか

な？」


慎「A…。」





みんなそれぞれ、目を見開いて驚いているけど顔は

笑顔でホッとする。





さてさて壱馬くんは？と見てみれば、いつもクール

でキメキメな彼が、ポカンと口を開けて私を見ていた。



「壱馬くん…久しぶり！」




数歩近寄って言えば、未だ唖然な壱馬くんは持って

いたトランプをパサッと全部落とす。





慎「あまりにも衝撃的すぎて、フリーズしてる。笑」



陣「壱馬でも、そんなことあるんだな。笑」





あの時とは違い、北人くんと同じ豹柄の洋服を身に

まとい、少し伸びた前髪から覗く彼の目はいつだっ

て壱馬くんだった。






「ふふ。前髪伸びたね！それに…すごい派手な洋

服。笑」





この距離がもどかしくて近寄れば、いきなり腕を掴

まれてあっという間に、壱馬くんの腕の中へ。




周りのみんなが、ヒュ〜と口を鳴らす。




壱「ほんとにA？俺、夢でも見てる…？」




抱きしめながら言う壱馬くんの声は、蚊の鳴くよう

な声だ。




私は壱馬くんの背中に腕を回して、




「夢じゃないよ、壱馬くんの現実。」





そう言えば壱馬くんは私の首に顔を埋めながら、会

いたかった…、と言った。





ってそうだ！私はみんなに伝えたいことがあったん
だ！！




それを思い出して、壱馬くんの腕から抜け出してみ

んなを見渡す。






「あの時は助けてくれてありがとう。そう伝えるつ

もりだったのに、いきなり元の世界に戻れちゃっ

て…、言うのが遅くなってしまいました。

だけど…、私のせいでみんなが警察に追われる身に

なってしまって…本当にごめんなさい…。」






私は深々と頭を下げた。







陣「…謝ることない。Aは俺らの大切な仲間。仲

間が連れ去られたら、助けに行くのが当たり前だ

ろ？」



陣くんは飲んでいたであろう瓶を置き、立ち上がる。




陸「そうそう、陣くんの言う通り。ここに来た時か

ら、Aは俺らの仲間だよ。」




翔平「水臭いこと言うんじゃねーよ。」




それぞれが、気にすることないと気遣ってくれた。





陣「でも…なんでまたここに戻ってこれたわけ？そ

してなんで北人がAを連れてきた？笑」





頭にハテナがいっぱいの陣くんやみんなに、今日ま

でのことを説明する。






もちろん嘉将くんのことも…。

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