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壱馬くんの言葉を聞いて、

涙がとめどなく流れ出る。




「嫌っ…!それに…元の世界に戻っても、私と壱馬

くんは住む世界が違うんだよ?!絶対巡り会えない

よ!!」





壱「大丈夫だ。俺を信じろ。」



壱馬くんは私の流れ出る涙を、指で拭ってくれる。






向こうの俺がいるから大丈夫だ、って前にも壱馬く

んに言われた。




でも何を根拠に…?




「元の世界に戻ったらもう…戻ってこれない

よ…?」




壱「向こうで会えるさ。俺は夢の中で…、」



その時、私たちの頭上からバタバタと大きな音を立

てて、よくSF映画で見るような飛行機がライトを照

らして近づいて来て、スピーカーで呼びかけられる。




ヘリ「こちら警察だ。その場で伏せなさい。もう一

度言う、その場で伏せなさい。」






壱馬くんが私に何か言ってるけど、その音で何も聞

こえない。




「壱馬くん!なに?!聞こえない!!」




一生懸命、壱馬くんの口の動きを見ると険しい顔で

私に、行け!と口が動く。




「嫌…、嫌!!」



そう呟きながら首を横に振る。




だけど、壱馬くんは私の身体をグイグイと無理やり

押して、逃げるように促す。




ここまでたくさん迷惑をかけてきた。





私はまた壱馬くんの言うことを聞かないで、迷惑を

かけちゃうの?




でも、ここで止まってたらもっと迷惑をかける気が

する。





そんな気持ちが私の中の天秤でぐらぐらしていたけ

ど、反射的に足は壱馬くんと反対方向に動いた。





少し走ってから振り向けば、壱馬くんは私を見てい

て、口が動く。




壱 ー愛してるー







私もだよ。


壱馬くん、私もだよ…。





そう返事ができぬまま、広い屋上の障害物を避けな

がら、私は無我夢中で走った。







でも涙が止まらなくて、視界がぼやけていく。



足もズキズキと踏み込む度に痛みが増す。




だけど走りながら、隣に建物があるのが確認できた。




もう、どうなってもあそこに飛び移るしかない。





走りながら振り向けば、飛行機は一点で止まり、ラ

イトを照らし続けている。




タンクなどの障害物で壱馬くんは見えないけど、き

っとまだあそこにいる。





でも…、


でも…、









私は後ろ髪を引かれたままでも、走るスピードを変


えずに足の激痛に耐えて踏み込み、隣の建物へ飛んだ。

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設定タグ:川村壱馬 , 吉野北人 , THERAMPAGE   
作品ジャンル:恋愛
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みそじ(プロフ) - アリサさん» コメントありがとうございます!お返事遅くなってしまいすいません( ; ; )そんな本だなんて!笑 叫びそうになるくらい楽しんで頂けて良かったです!笑 これからも飽きずに見に来て頂けると嬉しいです(^^) (2019年7月25日 12時) (レス) id: 0885410a1b (このIDを非表示/違反報告)
アリサ - マジで最高です!本出しません?wwホンマに最後かずまがバカ何何って言った瞬間もう叫びそうになりましたww次のやつも今から見ますww (2019年7月19日 0時) (レス) id: b30d817996 (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - 金平糖さん» コメントありがとうございます!そんな感動だなんて、とんでもないです( ; ; )でも楽しんで頂けて良かったです!二章も更新中なのでぜひよろしければ、見てやってください( ; ; ) (2019年7月9日 10時) (レス) id: 0885410a1b (このIDを非表示/違反報告)
金平糖 - 素敵すぎてタダで見てしまうことに罪悪感を覚えました、、、読んでいて楽しさと感動で時間の流れが早く感じてしまうほどです。ありがとうございました! (2019年7月8日 1時) (レス) id: 92eca1384f (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - あゆ太さん» コメントありがとうございます!そうなんです、MVを参考にさせて頂きました!感無量だなんて、とんでもないです( ; ; )続編は今、模索中なのでもし作ることがありましたら、ぜひ見に来てやってください( ; ; ) (2019年7月7日 9時) (レス) id: 0885410a1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みそじ | 作成日時:2019年6月27日 22時

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