ポータルの扉を叩けば

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「北人くん、書けない。」


北「いいじゃん、もう書かなくても。

てかもう戻らなくていいよ、あっちの世界に。」



「それはっ…、もー！樹くんどうにかして！！」



樹「無理ー。」



慎「こりゃ、前よりひどい…。」





北人くんにお説教をしてしまった日から、北人くん

は心を開いてくれた。





…までは良かったんだけど、開きすぎてるのかなん

なのか、どこに行くにもついてきてちょっとウンザ

リしてる。






この前なんて、シャワーにまでついてこようとした

んだから！




まぁ、なんでもない時ならこんなイケメンにつきま

とわれて何も苦じゃないんだけどね…。




なにせ私には異世界から帰らなくてはいけないとい

う、人生がかかっているのだから。








それで今は、恒例の頭脳系である慎くんと帰る方法

を紙に書き出す作業をしていたところ。






でもタイミング良いことに、ちょうど陣くんが北人

くんを呼ぶ。





陣「北人、薬もらってきたから。」


北「えー、今じゃなきゃダメですか？」



陣「い！ま！ったくもう〜。」






北人くんは、ちぇーっとふてくされながら、戻って

くるまでいてよ？！と姿が見えなくなるまで言って

いたけど、私はゆる〜い返事をしておいた。






薬は点滴投与するらしいので、最低でも15分程は戻

ってこない。








「やっとやれる！ごめんね、慎くん。せっかく一緒

に考えてくれてるのに。」



慎「Aも大変だね。あっちもこっちも。笑」



「あっちもこっちも？」



私が頭にハテナを浮かべていると、




壱「まーこーと。余計なこと吹き込むなよ。」



急に現れた壱馬くんが、慎くんの耳元でボソッと言う。





「なに？！どういう意味？すごい気になるから！」



慎「痛い痛い！」



私は、教えてよ〜！と慎くんの腕をブンブンと振っ

ていたら、壱馬くんはテーブルに手をつき、私たち

の書いた紙を眺める。





壱「全っ然進んでねぇじゃん。笑」




「だって北人くんがずっと、くっついてくるわ話し

かけてくるわで、全然集中できないんだもん！なん

とかしてよ、壱馬くん！」








すると、少し考える素振りをした後に提案される。









壱「だったら、俺の部屋でやれば？」

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