ポータルの扉を叩けば

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北「さっきは不快になるもの

見せちゃってごめんね。」




北人くんはそう言いながら、私の横に座る。



「あのっ…、私も頭ごなしに言っちゃってごめんな

さい！」



北「ううん、Aは正しいよ。でもその調子じゃ、

壱馬から聞いたんだね、俺のこと。」




北人くんはまっすぐ前を見ながら言い、私は頷く。




北「俺さ、みんなより身体弱いのが悔しくて…。み

んなは正義のためにやってるのに、俺だけいつも留

守番で…、そんな自分に嫌気がさして。自暴自棄っ

てやつ。それで、俺を必要としてくれる女の人にす

がってた。」




北「だけど、Aのビンタで目が覚めたよ。俺何や

ってんだろって。もっと自分を大切にしなきゃいけ

ないって気付けたよ。」




「せっかく親御さんからもらった身体なんだから。

そんなことは望んでないはずだよ…。それに北人く

んを必要としてる人は15人もいるじゃん！」



そう言うと、北人くんはそうだねと笑顔で答えてく

れた。






北「それにしても、Aのビンタ効いたなぁ〜。俺

より強いよ。笑」



「ごっ、ごめんね？！赤くなったりしてない？！」




私は慌てて北人くんの顔を覗きこめば、思ったより

顔が近くなってしまって、とっさに離れる。




「ごめん…。」



北「さっきから謝ってばっかり。笑

Aにはもっと警戒心ってのを持ってもらわないと

ね。」



それ前に慎くんにも言われたなぁ〜。


気をつけなきゃ…。






それから二人でみんなの所に戻れば、陣くんはプリ

プリ怒っていたけど、みんなになだめられてその場

は収まった。






そして、ふと壱馬くんと目が合ったので親指を立て

てグーサインをすれば、フハッ！と吹き出していた。






ーーーーーーーーー




「北人くん、ちょっと近いよ…。」


北「気のせい気のせい〜。」







慎「いや北人さん、くっつきすぎじゃないすか。」


陣「なにあれ？」


樹「俺のこと叱ってくれた人はAが初めてだか

ら、一番俺のことを理解してくれてるって言ってま

したよ。」



陣「忠犬か！笑」




コソッ

慎「いいんですか？壱馬さん。」


壱「いいんじゃねーの？」


慎「ほんっと素直じゃないですよね。」


壱「まっ、慎？！」


慎「あ、ほらまた抱きついてる。」


壱「っ？！北人ぉー！！」



慎「まったく、世話の焼けるお兄ちゃんだこと。」

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