ポータルの扉を叩けば

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私はここまで一気にまくし立てる。



昔からそうだった。父親に似て

曲がった事が嫌いで、ついヒートアップしてしまう。




「それに…、もっと自分を大切にしなきゃダメでし

ょ…。」





私はそれだけ言って、三人の横を走り去った。







壱「北人。陣さんには俺から上手く言っておくか

ら、少し頭冷やせ。」



北「…。」





ーーーーーーーーー




私は走り去ってたから、倉庫の端にある高台を見つ

けて、そこでうずくまる。




ここなら少し一人になれるかな…。





「はぁあ〜…、どうしよう…。」



つい頭にきて、ビンタしちゃったよ…。今更後悔が

襲ってくる。





壱「お前意外とやり手なのな。」



「わぁあ！！」


いつのまにか隣に同じように座る壱馬くんは、ふっ

と笑う。



「いいいつのまに？！！」



壱「北人は怒ってねーよ。驚いてはいたけど。」




「うそー…絶対怒ってるよ…。とうしよう！私もう

ここにいられないよー！泣」



そんな私を見兼ねてか、壱馬くんぽつりぽつりと話

し出す。




壱「北人の奴…、俺らより身体弱いんだよ。でもこ

こでは医者は金儲けだけだから頼りにならなくて、

それをフォローしてんのが陣さんで今日もそのこと

で、探してたってわけ。」




「えっ…、」



壱「それで病気のこともあって気持ち的に不安定が

続いてたんだと思う。まぁ、今に始まったことじゃ

ないから、俺らも注意したことはあるんだけどな。」




「そんな…。北人くんそんなそぶり一切見せなかっ

たから…、」




壱「あいつはあいつなりに、心配かけたくなかった

んだよ。俺らもお前に言うの北人から口止めされて

たし。」




そうだったんだ…。それなのに私頭ごなしに怒っち

ゃった…。




壱「だから、Aは何も間違ってねーよ。」


「でもっ…、」



北「壱馬。ちょっとA借りていい？」



「っ！！」


その時、私たちの後ろから北人くんが現れた。






壱「…夕飯までには戻れよ。」



壱馬くんは私の頭にポンっと手を置いて立ち去った。

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