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「もう終わりです。
その子をこちらに、」
男1「うるせぇ黙れこのクソ女が!!」
こちらに向かって来るのかと思いきや、
その男は茉莉花ちゃんに近付き、彼女の
髪の毛を引っ張り、顔を上げさせた。
そして片方の手には小型のサバイバルナイフを
持っていて、茉莉花ちゃんの顔にそれを
近づけてニヤリと笑う。
男1「それ以上近付くと、この女に
ブスっといくぞ?」
「…っ!」
まずい…。
まずい展開になってしまった…。
更に不運は重なる。
なんと、今まで目を瞑っていた茉莉花ちゃんが
ゆっくりと目を開けてしまったのだ。
茉莉花「ん…、え…?A…ちゃん?」
「茉莉花ちゃん!」
まだ意識が朦朧としているのか、
茉莉花ちゃんは目を細めるが、隣にいる男の
存在に気付き、悲鳴を上げた。
茉莉花「いやぁ!!」
男1「うるせぇ!騒ぐんじゃねぇ!!」
主犯の男は茉莉花ちゃんの頭を更にグッと上に
引っ張り、ナイフを顔に当てる。
男1「大人しくしてねぇと痛い目見んぞ?」
茉莉花「っ…!」
「っ…。」
涙目で私を見る茉莉花ちゃんからのSOSが
痛いほど届くが、どう動くべきか判断できず
身体は固まってしまう。
今、下手に動いてもここからアイツのいる場所
までは距離がありすぎて時間を稼げない。
だからといって真正面から向かって行っても、
茉莉花ちゃんを手元に置かれていては、私が
あそこに着く頃には、茉莉花ちゃんに手を
出される確率が高い。
どうしよう…、どうすれば…?
すると男はその場で不気味に笑いながら
言った。
男1「さっきまでの威勢がいいのはどこ
いったんだよ?」
「…。」
何も言い返せないし
動きのパターンも出てこない。
男1「ふっ、まぁいいわ。とりあえずそれ
飲めよ。」
私の足元に投げ捨てられる錠剤の入った袋。
「…これを飲めば、彼女を解放するとでも
言うんですか?」
男1「お前がこの女の代わりになることに
なるけどな。」
憎たらしい笑みをうかべる男から錠剤に
視線を移して拾い上げる。
これはきっとデートレイプドラック。
最近巷で常備している奴らが増えているのは
田中から聞いたことがあった。
その多くは飲み物にこれを含ませて、相手の
意識や抵抗を奪って乱暴をする。
茉莉花ちゃんもその被害者の一人になる。
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みそじ(プロフ) - ましゅさん» コメントありがとうございます!そしてお返事がかなり遅れてしまってすいません( ; ; )史上最強に亀更新になってしまっていますが、気長にお付き合いいただけたらな…と思っています( ; ; ) (2021年12月3日 18時) (レス) id: 66d9708aec (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - 怜菜さん» コメントありがとうございます!そしてお返事がかなり遅れてしまってすみません( ; ; )亀更新ですがこれからも頑張ります! (2021年12月3日 18時) (レス) id: 66d9708aec (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ(プロフ) - いつも更新楽しみです!もう〜竜!!光輝くんともどうなるか今後が気になります。 (2021年11月15日 7時) (レス) id: ad7747e186 (このIDを非表示/違反報告)
怜菜 - 更新ありがとうございます。続きが楽しみです (2021年8月24日 13時) (レス) id: 546599bc4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みそじ | 作成日時:2021年8月24日 13時