眼鏡ちゃんの秘密２

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「みんなとはぐれた時に

色々迷惑かけたし…。」


尊人さんの時と同様、竜の手によって

摘まれているキーホルダーの犬は少し

無愛想な顔をしている。



その姿を捉えながら尊人さんに似ている

犬のキーホルダーを手に取った後、

すぐ隣に陳列してあったまた別の犬の

キーホルダーを手に取ったことを思い出した。



どうやらそれもマスコットキャラクターの

一匹として存在していて、横目で無愛想な

表情からすぐに竜の顔が思い浮かんだのだ。




尊人「これめっちゃ竜に似てんじゃん！

この無愛想な感じとかさ！」



ケラケラ笑った尊人さんはキーホルダーと

同じ表情をしている竜の肩を叩くと、

うるせぇ、とその手を払った。



竜「でも…まぁ…、もらっといてやるよ。」


だけど竜はフッと笑って、そのキーホルダーを

少し上に持ち上げた。



「なっ…？！」

尊人「まっ、まぁまぁ！あぁ見えて竜の奴

喜んでるからさ！」




先に歩いて行った竜の背中に飛び蹴りでも

したくなる気持ちを、尊人さんが間に入って

鎮めてくれる。



なにあの上から目線！

人がせっかくお詫びの気持ちを込めて

買ったのに！！



尊人「でも…、竜と仲良くしてくれてほんと

ありがとな。」


眉を下げてそう言った尊人さんを見上げて

私は首を傾げる。



「それはどういう…？」


尊人「俺らちょっと前まで喧嘩ばっかだったし、

怖がれたりすることばっかで女友達とか

一人もいなかったんだよ。特に竜は普段から

あんなんだから、俺がいない時は一匹狼みたいに

なっててさ…。でも、Aと仲良くなってから

竜、少し変わった気がすんだよ。」



「変わった…？」


正直、私からしたら最初から無愛想で、

人のことをからかってくる竜のどこが

変わったのか全然分からない。



尊人「なんつーか…、家族以外に優しくしたり

からかったりすんの、初めて見たっていうか…？」



尊人さんは宙を見つめながら言う。




「優しくしたり」は、置いておいたとしても

からかわれたり、喧嘩まがいっていうか

言い合いみたいな事はしょっちゅうなのに、

尊人さんにはそういう風に見えるんだ…。



そこを不思議に思っていたら、少し歩いた先で

噂の人が振り向いた。




竜「二人とも、遅刻すんぞ。」



尊人「おう！今行くわ！

…ってことで、これからも竜をよろしくな！」



そうして尊人さんは私の頭を軽く

ワシャワシャしてから小走りで竜の元へと向かった。

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