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ついこの前まで一人で過ごしていたから
これが最適な方法かは正直分からない。
けれど、一つ言えることは「友達になろう」と言われて嫌な
気持ちになる可能性は低い、ということだ。
でも男の子はそれ以上、ゆっくり歩き続けながら何も話さな
くなってしまい、ついに探していた迷子を放送してくれそう
な場所に到着してしまった。
係員の方にかくかくしかじかと説明している間も、私に話し
かけることもなく、下を向いたりそっぽを向いたりしてい
る。
さっき言ったこと、ダメだったのかなぁ…。
やっぱり友達がいなかった私のアドバイスは、この子にとっ
ては受け入れられるものじゃなかったのかもしれない。
係員「では、こちらでお預かり致しますので。」
後ろ髪を引かれる思いもあったが、あとは優しそうな女性の
係員の方に託した方が良いのかと思い身を引こうとした瞬
間、背後からバタバタと駆けてくる足音に反射的に振り返
る。
男の子母親「カケル!!」
男の子「ママ?!」
男の子…いや、カケルくんに勢いよく抱きついたのは紛れも
なく彼の母親のようで、数歩遅れてやってきた大人しそうな
父親と思われる人も、カケルくんの頭を自身に引き寄せた。
男の子母親「もう…、すっごい探したんだから…!良かっ
た、良かった…。」
カケル「ごめんなさい…。僕…僕、ジェットコースターに乗
りたくて…。」
二人の腕の中で、小さな震える声が聞こえてすぐ、母親が立
ち上がり、係員の方に頭を何度も下げた。
母親「ありがとうございます。本当にすいません。」
係員「あっ、こちらの方が連れて来てくださったんです。」
笑顔で係員の方が私に手を向けると、そこで初めて両親と目
が合い、今度はこちらに頭を何度も下げた。
母親「ごめんなさい!目の前にいらしたのに私たちといった
ら…。」
「いえいえ!無事に引き取る瞬間を見れて、逆に良かったで
す。」
父親「本当にご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ございませ
ん。」
両親揃って頭を深く下げられて、私は慌てる。
「あのっ!頭を上げてください!迷惑とも思ってないですか
ら!」
眉を下げた二人は、顔を見合わせてからカケルくんに視線を
落としながら、
母親「最近、我慢させちゃう事ばっかりだったから気晴らし
にと思って連れて来たばかりに、興奮してしまったよう
で…。」
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みそじ(プロフ) - ましゅさん» コメントありがとうございます!そしてお返事がかなり遅れてしまってすいません( ; ; )史上最強に亀更新になってしまっていますが、気長にお付き合いいただけたらな…と思っています( ; ; ) (2021年12月3日 18時) (レス) id: 66d9708aec (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - 怜菜さん» コメントありがとうございます!そしてお返事がかなり遅れてしまってすみません( ; ; )亀更新ですがこれからも頑張ります! (2021年12月3日 18時) (レス) id: 66d9708aec (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ(プロフ) - いつも更新楽しみです!もう〜竜!!光輝くんともどうなるか今後が気になります。 (2021年11月15日 7時) (レス) id: ad7747e186 (このIDを非表示/違反報告)
怜菜 - 更新ありがとうございます。続きが楽しみです (2021年8月24日 13時) (レス) id: 546599bc4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みそじ | 作成日時:2021年8月24日 13時