眼鏡ちゃんの秘密２

６１ ページ11

陸「まぁまぁ！

無事に全員揃ったことだし、

さっそく行きますか？！」



いつもよりテンションの高い陸くんに続いてみんなが

歩き出そうとしたので、私は慌ててそれを引き止め

る。



「えっ…、まだ尊人さんが来てないけど…？！」



あんなに体も存在も大きい尊人さんを忘れるなんて…

と、みんなを疑う。



竜「風邪引いた。」


「…え？」


竜「だーかーら！風邪引いたんだよ、兄貴の奴。」


海司「今日が楽しみすぎて、知恵熱でも出したんじゃ

ないかって。」



ククッと笑いながら、携帯の画面をヒラヒラしている

海司くんに言われて自分の携帯を見てみると、トーク

アプリの通知がだいぶ前に来ていた。





ーーーーーーーー〉屋上メンバー

京極尊人悪りぃ…風邪ひいた。行けない…。


小田島陸え?!大丈夫なんすか?!


天堂光輝残念です😢


日浦海司お大事に。




尊人さん…、



なんなの？！！！

人にあれだけ今日の計画に来い来い言っておいて！

こっちは今日ここへ来るために、どれたけの神経すり

減らして来たと思ってんの？！




学校が休みの日に、友達と出かけたことがない私は最

初こそ稽古を休めない事を理由に断っていた。



それでも、どうしても来てほしいと尊人さんに言われ

続け、ダメ元で田中に確認をしてみたのだ。


そしたら田中といったら、「せっかくできたお友達

と、仲を深めるチャンスなんですから行ってきて下さ

い！」なんて、ニコニコして言うもんだから拍子抜け

した。




ー田中との回想シーンー


稽古終わりに道場にて。



「…でも、お父さんに知られたらなんて言われる

か…。」



田中「そこは安心して下さい。お父様へのフォローは

私がいたします。」


「でも…、」


田中「お嬢様、今は今しかございません。そして今回

のこの件は、稽古より大事な事です。」



「田中…。」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



と、まぁこんな経緯があっての今日。


なのに、肝心の尊人さんは楽しみすぎで知恵熱ぅ？！



竜「兄貴が行かねぇなら俺も行かねぇって言ったの

に、お前は行け！って聞かなくて。」



遊園地に向かう道を携帯で確認しているみんなの輪か

ら、私の考えていることを察したのか、竜が隣に来

る。



「まさか尊人さんが来れなくなるとは…。」


竜「ほんとそれな。ったく、兄貴の奴…。」

６２→←６０

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す