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1 青葉の桜 ページ1

楔荘が楔じゃなかったら。
 アイツらが普通だったら。
 普通って?
 平均的って事。
 そんな作者の幻想をちょっとだけ晒してみよう!
 以上、存在クンでしたーw

 高校を卒業して、皆それぞれの分かれ道を進んだ。同じ道を歩く者もいた。
 桜の若葉が春風に揺れる。
 木陰の下の花壇の縁に座り、タブレットの顔に触れながら難しい顔をする男が一人。
「んー、このキャラにはこの武器が合うかな…。」
 カバンから分厚いファイルを出し、忙しくページをめくる。
「やっぱり、…あでも。」
 春風が彼の前髪をどかし、黒めに光が差す。
「禊。」
 男が一人、彼に話しかける。
「…でも。あ、これいいかも。」
「禊。」
「今何時だっけ…。」
「禊。」
「あと30分…トイレでも行こうかな。」
「禊。」
 男は禊の首に腕を回す。
「さ、さっき教授が呼んでた…。」
「禊。」
「何だよ!嫌好怖い!」
「怖くない。」
「俺は怖いと思う!」
「俺は可愛いと思う。禊が。」
 嫌好は立ち上がり、
「行こ。授業あるでしょ。」
「ん…。」
 嫌好が差し出した手を、禊は渋々つかんで立ち上がる。

 禊の頭がゆっくりノートに近づき、急いで頭をあげる。そしてまたノートに近づく。
(禊、寝てる…。)
 嫌好は右人差し指をゆっくり伸ばして、禊の唇に触れる。
(はぁぁぁぁ柔らかいぃぃぃぃ!)
 心の中の嫌好が大はしゃぎ。
 とうとう禊は机に顔を突っ伏してしまった。
 嫌好はそっと禊の内腿に手を伸ばし、そっと撫でる。
「ん、んん…。」
 禊が反応する。
(可愛い…。)
 嫌好の顔が近づき、禊の耳に息を吹きかけると、
「…!?」
 禊は勢いよく起き、嫌好の頭を机に叩きつける。
――ゴッ
「ん、今のは何だ?」
 教授は気のせいかと、授業を続けた。
「み、禊…酷い…。」
「どこ触ってんだよ、変態!」
 嫌好は額を念入りに撫でる。
 授業が終わり、生徒たちが部屋を出ていく。禊と嫌好もその流れに続いていく。
「帰り、どっか寄る?」
「ダメ。今日は荷物の整理があるから。」
「えー。」
 自転車カゴに嫌好のカバンを入れ、禊は自転車にまたぎ、嫌好は走り出す。
 10分ほどで、自宅に到着。
「お前の叔母さん凄いよな…。」
「母親の叔母な。引き取り手がいないなら解体するって。」
 禊は中に入る。
「ここ、昔は学生寮だったんだっけ?」
「楔荘。10年も昔。」
「禊のお母さん太っ腹だね。二人で住んだら家賃半分って。」
「それは太っ腹と言うのか…?」

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作者名:聖 永遠/作者 字 | 作成日時:2016年5月1日 4時

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