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戻りゆく日々、変わりゆく環境 ページ43

その後、スナックに戻ったAはまた厨房の管理人として働いた。女帝は心配すらしておらず、一人でもやもやしていたのが馬鹿らしくなった。姉貴分のキャサリンやたまも「ああ戻ってたんだ。それよりそこのビールケース、」となんてことの無いように話しかけてくれた。

また、菓子折を持参した土方が来店した時は驚いた。牢獄の一部始終が録画されていたらしく、あの日起きたことは筒抜けだった。羞恥で顔から火が出そうだった。

寺岡雪慈については、初犯ではあるが麻薬密造に関与していた罪状は重い。正式に裁判にかけられるが、軽く見積もって10年は下らないとの見解だった。何となくそんな気はしていたため、「そうですか」と返した。

彼を殴りたい気持ちは分かるが、忍び込むのはやめろと釘を刺された。もし殴りたいなら一度俺を通せと名刺まで差し出された。転売とか考えないのだろうか。

聞けば、「お前はンな大層なことするような女じゃねぇだろ」とのこと。まず、人様の個人情報の売買なぞしたことがない。

それに、もし売られても仕事用の番号であるため売られたら真選組の隊士全員が乗り込むことになると。むしろそっちの方がいいのではないかと思った。

菓子折については、最終日に不意打ちを食らわせた隊士の謝罪の意味を込めてとのこと。咄嗟に対応できなかった自分も未熟であるのだから、とAは断ろうとしたが話を偶然その場で聞いていたキャサリンによりぶん取られた。お登勢にシバかれていたが。

年下とはいえ、現役の道場主だ。強さも然ることながら、お綺麗なシティ剣法より無骨さが滲み出るような田舎剣術の剣捌きは昔を思い出すようで、いい腕だったとお褒めの言葉を頂いた。後から聞いたところによると、鬼の副長は怒鳴ることはあっても褒めることはあまり無いらしい。きっとAちゃんが可愛いからだ、と揶揄うのはスキンヘッドの十番隊隊長だ。

もし都合が良ければ、また指南して欲しいとのこと。時間があったら連絡しますと伝えると、頼むと頭を下げられた。いえこちらこそ、と頭を垂れる。


志村家に預けられた弟たちは、最初は慣れないものの毎日の稽古に勤しんでいるらしい。姉ちゃんは嬉しいです。

次男は剣術のことで新八に色々と教えを乞い、次女はお妙に女の磨き方を習っているらしい。何を学んでんの?

合気道を得意とする孝太郎は、初日にお妙に吹っ飛ばされて以来「師匠」と崇めているとか。やめて差しあげて。

そうして、また日が過ぎていく。

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りんこ(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いています!もし決まってましたら、大前兄妹の年齢を教えていただけないでしょうか? (2021年2月24日 15時) (レス) id: 5b2ad52f60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:pillow | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年2月23日 17時

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