夜のカオ ページ34
江口「いま、アイツのこと思い出しただろ。」
「え、」
江口「あからさまに表情が曇ったし。
………で、アイツは元カレだろ。」
*
完全に確信したように聞く江口に戸惑いながら、なぜかと聞くと、「卒アルの写真に似てた」だと。
見透かされるような真っ直ぐな瞳が私を射抜かれる。
*
江口「頼むから______俺のことだけ考えてよ。」
*
切ないような、か弱いような声が聞こえたと思うと、これでもかってくらい抱き締められる。
でも、その力にいろいろな意味が込められてる気がして、ゆっくり背中に手を回す。
江口のこともっと考えて行動すれば、あんなことにはならなかっただろう。
………そして、江口をこんな気持ちにさせることはなかったのだろう。
*
「私には拓也だけだよ。」
江口「………うん。」
*
それでも抱き締める腕の強さは変わらない。
でも、離さないとでもいうような力強さに安心する自分がいる。
*
拓也「………でも、不安なんだ。言葉だけじゃ。」
*
江口は抱き締めていた体をゆっくり離すと、愛しいように頬に手を添える。
前髪で少し隠れた顔には憂わしげな表情がみえた。
*
江口「だから、心だけじゃなくて体も欲しい。
………今日は俺を拒否しないで。」
*
すると唇をまた重ねる。
………今度は優しく、求められるように。
こんな、泣きそうな声で言われたら拒否なんてできるわけない。
深くなっていくキスを受け止めるかのように、首に手を回す。
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ましゅまろ - ふぅぁっすたぁぁぁぁぁ…(?)もう無理心臓どくどく…えぐぅ尊いよぉ…… (2022年3月24日 8時) (レス) @page26 id: 020804db55 (このIDを非表示/違反報告)
沙月(プロフ) - ちょっとやめてくださいよ!が、えぐボイスで頭のなかに流れてきた。 (2019年5月25日 21時) (レス) id: b7d8d46a43 (このIDを非表示/違反報告)
木綿(プロフ) - 菜々さん» なるほどです!続編も読ませて頂きました!楽しみにしています! (2019年5月15日 20時) (レス) id: c57b2ce0fd (このIDを非表示/違反報告)
菜々(プロフ) - 木綿さん» ありがとうございます!!ずっと下書きのままにしてありましたので…続編でもよろしくお願いします。 (2019年5月15日 20時) (レス) id: 5b4c966665 (このIDを非表示/違反報告)
菜々(プロフ) - 夏來さん» 遅くなってごめんー!!まじで亀更新 (2019年5月15日 20時) (レス) id: 5b4c966665 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菜々 | 作成日時:2018年9月4日 16時