昼のカオと夜のカオ 【江口拓也】

昼のカオ ページ32

「成瀬、起きて！！ついた！」

成瀬「んー………。」









*









マンションの目の前につき、肩を叩く………
が、全く起きる気がしない。

近所過ぎてびっくりするぐらい、家が近い。


しょーがないし、埒があかないので席を降りて助手席から引きずり出す。









*









「成瀬、起きてってば！」









*









助手席から引きずり出すと、よろけたのか成瀬が正面から覆い被される。

耳にかかる吐息が熱っぽい。

………あれ、なんだろこの違和感。









*









「ね、成瀬！！」

成瀬「………んー？」

「……酔ってないでしょ、！」

成瀬「あ、ばれた？」









*









耳にかけるように返事をされて、びくりっと体が反応する。

こんなに近づいたのにお酒の匂いが全くしないことに違和感を感じたのだ。


すると、ぎゅーと抱き締められる形に。

離れようと抵抗するが、思うように力が入らない。









*









成瀬「俺、Aのこと本気で好き。高校生からずっと、」

「好きな人いるってば、！！」

成瀬「二番目でいいから、ね？」









*









抵抗すればするほど力が入り、離れることができない。

そして、チュと鎖骨辺りに唇を落とされて強く吸われる。

不快感が一気に駆け巡り、目に涙がたまる。



成瀬は顔を鎖骨にあった顔をあげると、熱っぽい顔で私をみて、そのまま唇を寄せる。

やばいやばいやばい、………！！









*














「や、やだっ____________！」









*









もう目と鼻の先………というところで、ぎゅっと目をつぶる。

思い浮かぶのはアイツの顔で、

目の涙が溢れると同時に呟いていた。









*









「___________たくやっ！」

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