昼のカオと夜のカオ 【江口拓也】

昼のカオ ページ28

パチリと目が覚めるとベッドの上。

寝ている江口を見て、昨日のことが蘇り顔が赤くなる。









*









江口「………顔真っ赤。」

「起きてるなら、言ってよ………。」









*









隣を見ると、薄目でこちらをみる江口。

床には制服が乱雑に脱ぎ捨てられている。


あれ、なんでそもそも制服なんて着てたんだっけ………









*









「あっ！明日同窓会なんだけど………行ってもいい？」

江口「同窓会………？」

「そう！予定が空いてたからいこうかなって！」









*









同窓会のことをやっと思い出した。

一応、江口に確認をとる。

快く受け入れると思っていたのに、なんだか複雑そうな顔をされる。









*












江口「別にいいけど………」

「けど、？」

江口「だって、元カレとかいるんじゃねーの？」









*









意外なところを突かれて、言葉がつまる。

確かに、いない訳じゃないが………。









*






「何年前の話だし、あっちももう彼女いると思うし………。」

江口「こっちも彼氏がいるわけだしな。」

「………まぁ。」









*









すると、いきなり顔が近づいてきて軽く唇が触れる。

何の前触れもなかったせいで、一瞬呆気に取られる。









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「な、なにっ！急に………！」

江口「……元カレに取られないか不安になった。」









*









だから、と言葉を続けて何度も何度も確かめるようなふれあうだけのキスを。

強引さはなくて、優しい感じの。









*









「………とられるわけないでしょ。
今、好きなのは………、」

江口「なのは？」

「………江口なんだから。」













*









改めて言葉にはしようとすると、つまってしまい大事なところの声が小さくなった。

江口にははっきり聞こえたのか、ご満悦そうに微笑む。









*









江口「もう一回戦どう？」

「やるか、バカっ！！」

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