妹は、 ページ8
今日は悪夢ではなく、妹視点の夢だった。
小さな手を伸ばしあの場所の本を取り出す
そこには
何枚めくっても血塗れの紙しかなかった。
「遊惨!!だめよっ!お父さんに見つかったらまずいわ!」
焦っている母に抱かれ寝室に向かっていた。
でももう遅かった。
「遊惨、美代。あれだけ見るなと言っただろう?」
初めはただ、叱るだけ。そう思っていた。
でも母は震え、妹をぎゅっと抱きしめていた。
ズンッ
ボタ...ボタボタボタ、、、
「お、お母さんっっっ!!!」
母は心臓を抜かれ倒れた
妹もこのままやられてしまうのか
どうしたらこの悪夢から出られるのか、考えた。
「お母さんがみてたの。あの本を。私っ!お父さんみたいになりたい!!!ずっと頭の中で流れるの。悲鳴と血の海の部屋。そこにうつるお父さん。私、私もなりたい!!!」
またガバッと起き上がる。
震えが止まらなかった。
涙も、汗も。
私は感じた。この家にいてはいけないと。
母は死に、殺したのは鬼のお父さん。
そしてそれに同情し鬼になった妹。
こんなとこにいては私も、私もっ...。
.
.
浅草は夜でも人が多い。まだ小さかった私は足元をくぐりぬけ逃げた。
玄関を出ようとした時見たことも無いような赤い目で睨む父の目を無視し逃げてきた。
行く宛なんてない。でも走った。ひたすらに走った。
どこかもわからない。暗く冷たい道を。
山の中を...。
.
.
『いやだっっっっ!!!!』
『はぁ......っはぁ...はぁ...』
目覚めると何度か見たことのある景色
そう、蝶屋敷の病室だった。
「どうしましたか!!!!」
駆けつけて来てくれたしのぶちゃんがそう言うけど
『な、なんでもない。大丈夫!!』
「昨日、山の偵察の時鬼が現れたそうですね。それも上弦の。その時みささんが急に倒れたみたいで炭治郎君が急いでこちらまで...。」
あの鬼は、妹だった。
どうしようもない事実に押しつぶされ気を失ったのかな。不甲斐ない。
『どうしてもあの山の気配が苦手でして...ほら私虫とかほんとむりで、そんな中鬼に遭遇してなんか精神がぶぁーーってなっちゃいました!』
「よくわかりませんけど、怪我は特になさそうですしあと3日ほど休んだら任務に戻っていいですよ」
何かあると思われたと思うけど、言えません。
________
鬼です。
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彩 - お母さんがどーしたの気になります!頑張ってください! (2021年4月23日 13時) (レス) id: ba7a3beaff (このIDを非表示/違反報告)
たなか。(プロフ) - あおいさん» わわっ!コメントありがとうございます!更新頑張っていきます! (2020年1月26日 2時) (レス) id: eed59b3e73 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 続き気になる!更新頑張ってください! (2020年1月25日 20時) (レス) id: ea8e5cf766 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たなか。 | 作成日時:2020年1月19日 20時