小学生の思い出は知っている【探偵チームＫＺ事件ノート】

Ｎｏ.７９　チャンス ページ32

数日後、運動会も終わり元の生活に戻った。

足の運びが悪いのは、もちろん。

若武とも顔が合わせづらかった。



若武の様子を見てみると、運動会のことなんて何もなかったかのような笑顔で男子とお喋り。

そんな姿に少しホッとし、少し傷ついた。
だって・・・・・あの顔、偽りかもしれないじゃない。


若武ってそうやって我慢しちゃうところがあるのかもしれない。

だからこそ、悪いなって思っちゃうよ。



謝りたいけど、どうやって？

もしかしたら若武怒るかも・・・・・・

私のせいで負けたもんね。
っていうか・・・・

私のせいで運動会、優勝できなかったし、クラスの皆の嫌われ者になっちゃってるかもしれない・・・・



最近、聞いたことがあるんだ。

スマホでの悪口。


私はスマホを持ってないからわからないんだけど、スマホで悪口を言ってる人がいるらしい。

もしかしたら私、嫌われてるのかな。
だとしたら嫌だな。

でも仕方ないよね、自業自得だもんね・・・・・・



私の気持ちはどんどん重くなるだけだった。



結局謝ることはできず、いつの間にか放課後に。

これから秀明に行かないと、はぁ・・・・



あ、また若武に会えるんだった。

その時に謝ればいかなぁ。


許してくれるかな、なんて色々考えていると。



「彩、ちょっと先生に代表委員で頼まれてることがあるから先帰ってて。遅くなったらマズイだろ？」


と、マリンから言われた。

秀明には遅れられないし、今回は別々で帰ることに。


下駄箱で靴を取り出している最中、なんと若武が！


い、今ってチャンス？

今チャンス！？

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