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「ほら。」
眠っている紫耀の手を掴んで片方海人に差し出す。
「え？」
「お前も紫耀にとってはちゃんと癒しやから。お前がおると、紫耀はいつも笑っとるからさ。」
そう言うと、みるみる海人の大きな瞳が潤んでいく。
「れえんっ･･･。」
俺をぎゅうぎゅうと抱き締める。
「も、ちゃうやろ。俺やなくて･･･。」
「こっちや」、と紫耀の片手を渡す。
「うん･･･。」
その手を握りぎゅっと胸に抱き締める海人。
「俺にとっても、海人は癒しやで？いつも俺等の事気遣ってくれてありがとな？」
「廉･･･。」
すると嬉しそうに擦り寄ってくる。
「後もう少しやから、三人で頑張ろな？」
海人の頭を優しく撫でてやる。
「うん。ずっと三人一緒だからね。あ、六人だった。」
もう片方の手で俺の手を握る。
舞台本番まで後数十分。
俺等三人は手を握り合って、ベッドの上で束の間の眠りに落ちていった。
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作者名：弥勒
| 作成日時：2020年4月16日 1時
