ユンギの独り言(番外編) ページ49
「はぁー。」
『ん…』
「!…。」
思ったよりも大きくついてしまったため息に、隣で眠る人が身じろぎをしたので、慌てて息を止める。
いや、そもそもなんで俺がそんなこと気にしなきゃいけないんだよ。
ソファーで1人本を読んでいたら、『私も漫画読む』と言って、隣に座ったヌナが熟睡し始めたのはそれから5分もたたないうちだった。
ただ寝るだけならいいものの、思いっきり俺の肩に頭を預けて爆睡している。
再び盛大に出そうになったため息を慌てて飲み込んだ。
うちの居候である、10歳ほど年の離れたこのヌナは、俺に対してめちゃくちゃに無防備だ。
20歳を超えたこの人からしたら、12歳なんて子どもなんだろうけど。
それにしても、そんなに身長が変わらない俺の肩に頭を置いているから、ヌナの首はほとんど90度に折れ曲がっている。
起こさないように、そっと背筋を伸ばしてみると、いくばくか楽そうになった…ように見える。
上から見下ろすヌナは、少しだけ新鮮だ。
「まつ毛長…。」
俺よりもずっと大人だけど、そうは思えないこの人は、俺のクラスの女達にはいないタイプだ。
だけど、この変なヌナが笑うと、なんだかほっとする。
よくわからないけれど、この人が家に来た時から、そんな風に心が休まる時間が増えたように思う。
それは、俺の曲作りにも影響を与えていて。
授業参観の時に、ヌナに聞かれた曲。
あの時はまだ未完成だったけれど、完成して形になった今、最初に比べて少し雰囲気が柔らかくなったと思う。
それは本当に少しの変化で、きっと誰も気がつかないだろうけど。
それとわからないのが、
どうして今、こんなにも心臓が早く動いているのか。
読みかけの本は、さっきから全くページが進んでいない。
「あー、もう、なんなんだよ。」
『ん!?』
「あ。」
思わず溢れた独り言で、ヌナを起こしてしまった。
『あらら、ごめんなさいね。私もたれかかってた?』
「ん。重かった。」
そう言うと、ごめんと言って汗をとばすヌナを見て、堪えきれずに笑ってしまう。
「冗談だけど。」
『え!?…もう。』
怒った表情を見せられて、さらに笑う。
あーあ。
なんでもいいけど、
こんな時間がもっと続けばいいのにって。
柄にもなくそんなことを思う毎日だ。
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ミロ(プロフ) - たるぎさん» 独占欲強めのぐぅちゃん気に入っていただけましたでしょうか?(*^^*)こちらこそ嬉しいコメントをありがとうございます!(*^^*)続編もあるので、よろしければ!!( ´ ▽ ` ) (2020年4月24日 12時) (レス) id: 5d7ae6ba18 (このIDを非表示/違反報告)
たるぎ - 3歳児ぐうちゃんが大好きすぎて養いたいです、、(( ヌナは僕のヌナとか言われたらもう爆死です、、こんな素敵な作品ありがとうございます! (2020年4月12日 13時) (レス) id: 02c334fcba (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - やまれさん» やまれ様 やまれ様〜!!!そんなこと言ってもらえると、ほんとに終わりたくなくなっちゃいます〜( ; ; )(意志弱)3も、お話めいっぱい詰め込んで頑張るので、どうか最後まで楽しんでやってください(´;ω;`) (2019年1月27日 21時) (レス) id: b0ccc01646 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - wakamilku__084さん» wakamilku様 ニヤニヤしてくださってるんですね?私にとってそんな嬉しいことないです…!(^ ^)わぁ、嬉しいお言葉!!数年後とかも書けたら楽しいかもですね!(私が)その時は是非見てやってください!(o^^o) (2019年1月27日 21時) (レス) id: b0ccc01646 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - バンタンさん» バンタン様 7くらいまで…!!続けたぁ〜い!!(笑)もう、そう言ってもらえることが嬉しすぎます!!本当にありがとうございます(*^^*) (2019年1月27日 21時) (レス) id: b0ccc01646 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2018年12月27日 21時