マシンヌンキム家 ２

やっぱさ〜、靴はマジックテープタイプがいいよね。 ページ28

『ふぅー、終わった。』

HS「おつかれ、ヌナー！」

JN「Aちゃんすごかったね！」

『え？へへ…そうですか？』

YG「ジョングクがな。」




競技が終わり、戻ってきた私に口々に労いの言葉をかけてくれるキム家の面々。

でもね、ユンギ君の言う通り、わたしはなーんにもしていない。





頑張ったのは、前の表彰台で、緊張しているのか唇をぎゅっと引きむすんだ顔で先生に金メダルをかけてもらっているジョングク君だ。





今でこそ、あんなにカチンコチンになっているけど、さっきまではケラケラ笑いながら周りの子たちを一網打尽にしてたんだから、騙されちゃいけない。










TH「Aーーーーーー！！！」

『ぐぇ！』



流石に疲れてシートに寝転がっていたのに、思い切り飛び乗られて跳ね上がる。



TH「いくよ！A！ににんさんにんいくよー！！」

『二人三脚ね。』


5歳児の親子競技は、今度こそ私が出た方が有利そうだ。


歩幅が近いしね！やかましいわ。






さあ！最後の競技だ！頑張ろう！
















JM「…ヌナ、いこ？」

『喜んで！！』



ちくしょう、可愛いな！！























TH「なにこれ、へんなのー！」

『可愛いじゃん。』



とーっても大きなズボンの片足ずつに体を入れた私達は、自分ではわからないけれどとてもマヌケな姿だろう。

これで私とテヒョン君は一心同体。

心を１つにせねば。




『テヒョン君！頑張ろうね！』

TH「うん！」









スタートの合図を待ち、耳をすませる。
















よーい…














パン！！


















TH「あ！くつひもとれてる！」

『うえ！』



合図とともに走り出した体がすぐに引き戻される。





『ちょ、テヒョン君！始まっちゃったよ！』

TH「うーん」

『行かなきゃ！！皆走ってる！』

TH「でもくつひもがとれてるからさあ。」



至ってマイペース。

ちょっとちょっと！観客の皆さんもドヨドヨしてきちゃってるって！




『んもう！貸して！』

TH「あー、テテがじぶんでやりたいのにい。」



高速で靴紐を結び、いじけるテヒョン君を引っ張り起こして走ったけれど間に合うはずもなく。










「はーい、いまテヒョン君とママがゴールしました！最後まで諦めなかった2人に拍手を〜！」





拍手喝采を浴び、ヘラヘラペコペコしながら顔から火が出そうだった。

テヒョン君は嬉しそうだったけど。

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