キミが奏でる恋の唄

二十一話 ページ21

とても自然な流れで、彼の唇が私の頰に触れる。



突然のことに驚き、固まってしまった。








TH「いひひ。お姫様、可愛い。」

『も、もう。テヒョン。びっくりするじゃない！』

TH「…怒った？」

『怒ってないけど！』




こんな国も傾きそうなほどの美少年に口づけされて、怒る人間なんていないだろう。


ジミンが見てたらひっくり返りそうだけども。








TH「お姫様は、ちょっと変わってるね。」

『え、そう？変わってるかな？私。』

TH「うん。だいーぶ。」



彼の言葉に、少しだけ落ち込む。

わかってはいたけれど。










TH「世の中が、お姫様みたいなひとばっかりだったら、きっと戦なんて起きないのにね。」

『うーん、と、それは褒めてもらってるのかな？』

TH「かなーり。」

『なら、ありがとう。』




褒められてるなら、まぁ、いいかな！























JM「あ！A様！こんなところにいた！」

『あれ、ジミン。』

JM「あれ、じゃないですよ！ユンギさんカンカンに怒ってますよ！早く戻らないと！」

『うそ！それは大変だ！


じゃあね。テヒョン、花束ありがとう！部屋に飾るね！』

TH「うん！」












テヒョンに別れを告げ、早足で宴の会場へと向かう。






『今日も今日とて、走りっぱなし…。』

JM「ご自分のせいでしょうに。」

『返す言葉もありません。』












『？ジミン？どうしたの？』

あと少しで到着するというところで、急に立ち止まったジミンを振り返る。







JM「その花束…。」

『ああ、これ？テヒョンがくれたの。誕生日のお祝いだって。』

JM「っあーー。」




答えると、ガクンと肩を落とすジミン。



『なに？羨ましかろう？』

JM「そうじゃなくて、テヒョンに先を越されるなんて…」

『え？』



ふー、と一度深くため息をつくと、おもむろに懐から小さな箱を取り出す。











JM「これ、俺からです。」

『わぁ…！ありがとう！何かな？開けてもいい？』

JM「どうぞ。」
















『わぁあ！！可愛い！！』

JM「良かった…。」


喜ぶ私の反応を見て、安心したような顔をする。

中に入っていたのは、花の形をした美しい髪飾りだった。












『ねぇ、これ今付けてもいいかな？』

JM「はい。そのつもりでした。

本当はもっと早く渡したかったんですけど…。」

時間が無くて…と残念そうに言うジミン。

二十二話→←二十話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す