最強のフィールド ページ47
「……はっ、本当に使えませんね」
「この状況で嘘を吐いて、どうすると言うのですか? 今の状況、」
真実が一番効く。
モネが指定した範囲内に、アスモデウスは立っている為、第三者であるエイトには、彼が炎を生み出そうとしたことすら、認識できなかった。
それだけ、静か。
何事も無かったかのように、彼の魔術が相殺される。
しかし、直ぐに解かれる。
「…………魔術というハンデがあっても、構わない、と?」
「……私は、魔術が使えません。が、それの対策を、何もしていないとでも?」
直ぐに解かれたのは、単純に、6秒が経過したからなのだが、それはアスモデウスは知らない。
「ぐっ、!!」
「せっかくの炎の剣、構え方がなっていませんよ」
家系能力は、1回につき、使用時間は6秒まで。
もう既に、1回目は発動させた。
再び発動させるタイミングは、よく考えなければならない。
面倒くさい。
アスモデウスが勢いよく、炎の剣を振るうものの、生きている様に動かされる棍が、モネに一切近づけさせない。
「棍は木でできている、だから燃えるはず。そう思っていそうな顔ですが、燃えることはありませんよ」
「ッッ!!!!!」
モネが現在使用している棍は、もちろん魔具。
魔力を込めると、込めた量に比例し、その強度が増す。
今回は魔力が制限されているので、棍に込める魔力量は、かなり様子見状態ではある。
しかし、家系能力は、そもそも今回、発動許可がおりている時間が少ない。
よって、それの為に残しておく魔力も、少なくて済む。
当然、燃えないだけで、熱は受けるので、棍の持ち替えができないのだが、それはあまり関係ない。
「…………時間切れ、です」
「がっ…………ッッ!!!!!」
大きく棍を払うと、アスモデウスは軽く吹っ飛ぶ。
おまけに、彼の炎で散々炙られた為、棍が当たった服の袖は、軽く焦げた。
「2度目、使うまでもなかったですね。残念です」
「ぐっ…………!!!」
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作者名:Sela | 作成日時:2023年3月19日 10時