有用から無駄にする ページ44
ーー理事長室前 階段おどり場
アスモデウスは、訳がわからなかった。
「無駄…………？」
「はい。もちろん、無駄ではないのですが。そう思わざるを得ないことも、当然ありますから。今、のような」
「そう、思わざるを得ないこと…………？」
そんなに何度もオウム返しをされても……。
頭硬いわね、やっぱり。
「さて。ではまず、MOSについて、答え合わせを。理事長と天秤に掛けられた理由は、先程申し上げた通りです。」
「では、なぜ、釣り合っているのか？」
「それは、私の家系能力が、この心臓破りと、相性が良すぎたからです」
当然、私が理事長と張り合えるなんて、そんな素晴らしい話は無い。
が、しかし、それはあくまで、
「情報解禁、致しましょう。私の家系能力は、【
【
使用者本人を中心とした範囲内において、発動されたあらゆる魔術に、例外なく干渉し、乱し、相殺することができる。
範囲は、集中力，継続時間は、魔力量に比例して増える。
ただし対象は、自身より下のランク、または、それに相当する実力のものが、発動した魔術のみ。
「な…………っ！！！！」
「要するに。自身より弱いモノが発動した魔術を、例外なく無に返す。
つまり、
驚いて、声も出ないかしら。そうでしょうね。
家系能力を使わない為、懸命に努力して、代わりとなる
しかし、対する相手が私では、使いたがらなかった、家系能力は勿論のこと、磨いてきた魔術まで、無に返される。
当然、使い魔も召喚できない。
羽は使えるので、制空権を得られるとはいえ、私は突然変異。
身体能力の差は言うまでもない。
それに、文字通りの底なしの魔力保有者を相手に、疲れを狙った、持久戦はできない。
ランクが低い限り、私には絶対に勝てない。
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作者名：Sela | 作成日時：2023年3月19日 10時
