優等生の定義 ページ42
「優等生？」
「はい。あの時から今に至るまで、その印象が変わることは、ありませんでした」
「……それは、どういう、」
「ああでも、勘違いはしないでくださいね、」
その言葉の意味は、決して、
「褒め言葉ではありませんので」
「…………っ？！」
『優等生』の定義は、成績や品行の優れた生徒。
けれども、少なくとも私は、そんな生徒はいらない。
だって、面白くない。
「あなたは、考えましたか？ 何故私が、理事長と天秤に掛けられたのか」
「そっ、それは……っ、」
ほら。
私の偏見ではあるけれど、優等生は、例えるならスポンジ。蛇口から出てくる水を、言われるがままに吸収する。
ただそれだけ。
でも、面白いヒトは、ポンプ。蛇口から直接、言われなくても自発的に、大量の水を吸収する。
そして、いらなくなった水はちゃんと出す。
考える、頭がある。
「…………ちなみに、何故だと思いますか？」
「えっ？」
「何故、私が、理事長と天秤に掛けられたと、思いますか？」
「………………」
無回答、ね。
「難しく考えすぎですよ。答えは至ってシンプル、『釣り合っているから』です。」
「はっ？」
「あまり長居はしたくないので、そろそろ種明かしと、１つ、アドバイスを」
「はっ？」
「さて。あなたは、家系能力を使わない。その理由は存じませんが、それは今はどうでもいい。」
「…………？？」
「家系能力を使わない為、努力は重ねてきたのでしょうが、」
その努力が、全て無駄だったと、思ったことはありますか？
アスモデウス・アリスーーーー
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 95人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Sela | 作成日時：2023年3月19日 10時
