頭がお硬いようで ページ41
「……あの、アスモデウス君。まさかとは思いますが、エイト先生と私、２人を同時に相手するつもりですか？」
「…………私の目的は、SOSのもとまで、教師を行かせないことですから」
いや、そう言われても。
「…………失礼ですが、それはこちらが困るのですよ。極めて実践に近いですが、これは、あくまで試験。１人の生徒に、２人が相手をすると、上からお咎めが、」
「しかし、その試験の為、私はSOSの邪魔をさせられない。なら、引き止めるしか無いでしょう！」
いや、だから……。
頭硬いわね、コイツ。
ダリ統括からのお咎めは、できれば避けたいのだけど。
カルエゴ先生なら良いって訳でもないけど。
「…………エイト先生、強行突破、しても大丈夫だと思いますか？」
「………………えーっと、」
迷うわよね。ね。
なんだけど、、大事だから、もう一度繰り返す。
頭が、硬いのよ。アスモデウス君は。
このまま私が強行突破したなら、何がなんでも、私を引き留めようとするはず。
そうなれば、もうエイト先生のことなんて、眼中に無いでしょうね。
多分２人は戦っていたのだし、それの集中を削ぐのは、気が引ける。
「「………………」」
『軽い説教くらいなら、良いんじゃない？』
「えっ」
突如、通信鬼からダリ統括の声が響く。
良いの？ そんなにあっさり？？
「……了解致しました」
『頑張ってー！』
「……はぁ」
階段に向けて踏み出していた足を戻すと、エイト先生は察したらしい。
「じゃあ僕、一回下がって、見ていても良いですか？」
「構いません。すみません、お時間をいただいてしまって」
「とんでもないです！」
さて。
「上からの許可も降りましたし、少しだけ、あなたの我儘に付き合いましょう。」
「っ………………！」
「ちなみに。初めての音楽の授業、皆さんには、軽い自己紹介をしていただきましたね。覚えていますか？」
「……はい」
「その時、私はあなたに対して、思いました。」
ああ、この生徒は『優等生』だ、と。
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作者名：Sela | 作成日時：2023年3月19日 10時
