思いやりのお恵みを…… ページ34
「………………いやー、流石にこれは予想外だねー、」
「悪い意味で」
時は過ぎ、６分。
あれから１人も、モネのいるこの機械に、近づこうとした生徒は、、
いなかった。
ゼロ。
０。
ZERO。
そう、いなかったのであるッッ！！！！！！
理由は至ってシンプル。
隠れる派は、誰かが行ってくれるだろう、と動かなかった。
そして、動く派は、モネ解放よりも、サリバン解放の方がマズい、と考えた故、理事長室に集中してしまったからである。
お陰で、職員室付近を巡回していたロビンに、装置から出してもらったとき、モネはめちゃくちゃに、
恥ずかしかった。
そして、それは、理不尽な怒りに変わる。
その矛先はどこに向くか？
当然、来なかった生徒共である。
『……いやー、まさかだね！』
「はっ倒しますよ」
通信鬼から聞こえる、ダリ統括の声が耳障りすぎる。
今すぐちぎって捨てたい。
そのカケラで、生徒の顔面に傷つけてやりたい。
『面白半分で追加した、MOSだったけど、、まさかここまで、モネ先生の読み通りになるとはねー！』
「今はかなり複雑な心情ですね」
そう、モネは、自分が必ずどこかで参戦できることを、予め予測できていた。
一定数の生徒が、SOSに流れるのは、誰もが分かること。
さらに、サリバンもモネも、共に家系能力を生徒に知られていない。
両者共に、生徒と真面目に戦ったことが無い。
地位は、理事長と、しがない音楽教師。
生徒の流れは、至極当然と言える。
また、MOSに対して、SOSは協力任務。
自身の力に溺れきっている問題児なら、自分のチームこそ、協力しに行かねば！！ と、正義感を燃やしてくるに違いない。
…………ここまでとは、思わなかったが。
『……まっ、取り敢えず！ 確認するね』
『１、家系能力の使用は、試験中で計３回まで
２、家系能力の範囲は指定しないが、魔力は制限中
３、使用時間は、１回につき６秒まで
４、巡回ルートは決まってないから自由、でも戦闘中に加勢するなら、なるべく動かないこと
…………まあ、こんなところかな。大丈夫？』
「問題ありません。が、任務をサボられた八つ当たりくらいは、目をつぶっていただきたいですね」
『ま、ちょっとくらいはねー！ よし！ それじゃあ、』
ピンポンパンポーン……
『MOSから、６分が経過。ここで、キョーシーーモーネを、追加します』
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作者名：Sela | 作成日時：2023年3月19日 10時
