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｢おつかれーー!｣
｢おつかれー!!って、えっ!A今日支度早くない?北人くん見なくていいの!?｣
｢実は昼休み誘われたんだ!一緒に帰ろうって!｣
｢え!そうなの!よかったじゃーん!!!｣
｢うん!!
だからちょっと髪の毛とか治しておこうと思ってさー｣
｢そっかそっか!じゃあ可愛くしとかないと！
頑張ってね!｣
そう言って聖ちゃんは風のような速さで帰って行った。
私の一番の理解者でいつも優しい聖ちゃん。
彼女の存在に救われているなとつくづく感じた。
帰り支度が終わったところでお手洗いへ行き
鏡をみながら前髪を直す。
汗ふきシートで全身の汗をちゃんと拭いた。
仕上げにお気に入りのリップを塗ればさっきよりも少しだけ綺麗になれた気がした。
スカートのシワを伸ばしてお手洗いから出ると北人くんの声が聞こえてきた。
｢あはは!!｣
北人くんはいつものようにバスケ部の人達と楽しそうに体育館から出てきた。
一つ違ったのは
｢あっ、ごめん!
俺今日大事な約束あるから先行くわ!｣
そう言って私のいる玄関に向かって走って来てくれたこと。
｢おまたせ!｣
今あの北人くんが目の前にいて私に話かけてくれている。
これ以上に幸せな事ってあるのかな?
そう思えるくらいに今の私は浮かれていた。
｢じゃあ、行こっか。｣
｢うん。｣
今日は昨日よりも上手く話せるといいな。
そんなことを考えて歩き始めたところで
｢ねえ、遠回りになっちゃうんだけど今日は昨日と違う道で帰ってもいい?｣
と、北人くんから提案があった。
断る理由なんてあるわけないし、むしろ遠回りなら少しだけ長く北人くんといられる。
｢うん!いいよ｣
そんな下心を見透かされないように笑顔を向けた。
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作者名：mm | 作成日時：2020年3月11日 13時
