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正月に翔吾と一緒に宮崎に帰省した。
東京にいる間は、忙しくてあまり余裕が無いから思い出さずにいられた。
だけどやっぱり地元に帰ると気持ちが緩む。
目に入るどの景色にも学生時代の自分の面影が残っているから
どうしても思い出してしまうんだ。
Aのことを。
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｢おかえりー！北ちゃん！！元気にしてた？｣
｢うん、元気！｣
｢翔吾くんも元気そうだね！わざわざありがとうね！こんな遠くまで｣
｢いえいえ！お母さんに久しぶりに会えて嬉しいです！｣
毎年正月は帰省していたけど、こうやってメンバーを連れてくるのはこれが初めてだった。
｢翔吾くん！これ見る？｣
｢えっ！アルバムですか？見たい見たい！｣
｢ちょっと！母さん！｣
｢いいじゃないの！北ちゃんは見なきゃいいでしょ？｣
｢そうそう！
わぁ！可愛い！これ北ちゃんですか？｣
突如始まったアルバム鑑賞会。
俺が赤ちゃんの時のアルバムから中学の卒業アルバムまで全部引っ張り出してきて、二人で楽しそうに見てた。
｢じゃあ、私夕飯の支度してくるから、ゆっくり見ててね！｣
｢はーい！｣
｢まだ見るの？｣
｢だってまだ小学校までしか見てないよ？笑｣
翔吾はそう言って母さんがいなくなってからも1人で黙々とアルバムを見てた。
｢ねえ、北ちゃん。この女の子誰？｣
｢えっ？｣
急に話しかけられて振り向くと、数少ない高校時代の写真のアルバムを手にしていた。
｢それは...｣
忘れかけていたはずの思い出が蘇る。
"北人くん！"
写真には楽しそうに笑うAと少し照れくさそうなあの頃の俺が写っていた。
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作者名：mm | 作成日時：2020年3月11日 13時
