Starlight (ページ17)

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家に帰るとドキドキしながら袋からCDを取り出した。

あまりジャケット写真を見れずに買ってきたから改めてちゃんと見ると、そこには垢抜けた自分の知らない北人くんがいて...

少し寂しい反面、まっすぐな瞳はひとつも変わっていないことが嬉しかった。

収録曲を見てみると、

｢Starlight....か。｣

3曲目の題名に目がいった。

思い浮かぶのはあの日2人で見た帰り道の星空。

すぐに聞きたくなったけど、その気持ちを抑えて1曲目から順に流していくと

｢っ......｣

力強い歌声と格段に上がった歌唱力に鳥肌が立った。

本当に北人くんは歌手になったんだなと今更だけど痛感する。

そして何より、久しぶりに聞いた北人くんの声に胸がいっぱいになった。

聴き入っているとあっという間に
3曲目の''Starlight'' が流れ始める。

～♪

歌い出しの北人くんの声で一気に気持ちが高校時代に引き戻された気がした。

目で追っていたはずの歌詞カードがだんだんとぼやけて見えなくなってきて、自分が泣いていると気づく。

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時間と思い出と一緒に指先をすり抜けて、段々届かない存在になっていく北人くんをただ見ていることしか出来なかったあの頃の自分。

北人くんの背中を押すために別れたんじゃなくて、ただ自分が北人くんと向き合えなかっただけだ。

それなのに...
北人くんは、バスケのシュートを決める時みたいに言った、

｢ちゃんと見てて! ｣って。

切ない顔をした後にいつもと変わらない笑顔で笑ってくれたね。

｢ちゃんと見てるよ！｣

そう言えれば良かった。

自分で勝手に判断しないで、
北人くんとちゃんと向き合って、応援し続けることが私の本当にやるべき事だった。

｢離れても、俺の事が分かるように絶対デビューするから。｣

そう言ってくれた北人くんはあの時どんな気持ちだったの?

私の気持ちに気づいていた?

この曲を歌っている北人くんは少しでも私の事思い出してくれていたんだろうか。