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私は高校時代バレーボール部だった。
強豪校ってわけでもなかったからゆるく活動して本気で練習するのは試合前くらい。
代わりにバスケ部は全国レベルで毎日隣のコートで厳しい練習をしていた。
友達とバレーしてるのはなんだか青春って感じで楽しかったけど、私の一番の楽しみは隣で真剣な顔してバスケをする彼を見ることだった。
コートの周りを部員達とランニングしながら横目でシュート練習をしている彼の姿を捉える。
彼は足を止めること無く何度も何度もゴールに向かってボールを投げ続け、流れる汗をTシャツの袖で拭いた。
うわぁーかっこいいーーーー!!
｢A!!｣
｢はいっ!｣
｢ちゃんと走って！｣
｢はいっ｣
いつも優しい先輩も明らかに遅いペースでよそ見して走っている私に痺れを切らし大声で注意してきた。
｢好きなのは分かるけどもっとバレないようにやんなよ笑｣
そう言って私の隣で走る聖ちゃんが笑った。
｢だってかっこいいから気づいたら目で追ってるんだもん!｣
｢いいねーー恋だねー!!｣
｢もう!からかわないでよ！｣
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
｢ありがとうございました！｣
部活が終わるとみんな足早に帰って行く。
｢じゃあね!また明日〜｣
｢バイバーイ!｣
｢A〜まだ帰んないの?｣
｢うーん、あともう少しだけ....｣
｢はぁ、よくもまあ飽きずに毎日毎日やるよね。｣
バスケ部はバレー部よりも終わる時間が遅いから、私はゆっくり帰り支度をする。
少しでも長く彼を見ていたくて。
｢もう先行くよー｣
｢え!ちょっと待ってよー｣
学校の玄関を出るとすっかり暗くなった空。
遠くの方だけ微かにオレンジがかって綺麗なグラデーションが出来ていた。
｢疲れたねー今日も。｣
｢ねー!ずっとゲームだったら楽しいのに最初のアップがキツイよ。｣
｢それな!今日なんてバービージャンプもあったし殺す気かって感じ笑｣
｢私なんて怒られちゃったしな笑｣
｢あれはAが悪い!よそ見し過ぎ笑｣
｢えーーまあそうだけどさ。｣
｢というかなんでそんな好きになったわけ?｣
｢うーんとね、｣
あれは高校に入学してすぐのこと...
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作者名：mm | 作成日時：2020年3月11日 13時
