運命 ページ42
〜NakamuSide〜
きん「ごめんな、Nakamu...」
青色のパーカーの青年は、俺の体に身をうずめて泣いていた。
その光景に俺まで泣いてしまう。
きん「だから...だからはっきり言えば...良かったんだ。俺は間違ってた...」
なか「わかった、それは分かったから!諦めんなよ…まだ間に合う!」
きん「無理なんだ...」
そういうと彼は腕を捲った。それは既にジグソーパズルが崩れた時のように、腕という形を成していなかった。
なか「!これ…。」
きん「わかっただろ…運命、なんだ。だから、聞いて。俺今までお前と居れて...楽しかった。」
止めて。そんな死ぬ前みたいな台詞、俺は望まない。
きん「もうさっきので、全部魔法は使っちゃったからさ、結局...結局また君を悲しませることになっちゃうな、ごめん。」
これが運命なのか?そんな運命、俺は望まない。
きん「最後の時が来たら、お前らの記憶を全部消して、もう俺なんかいないことにしてしまおうと思ってたんだ。」
きん「でも、それは甘えだった...結局魔法に縋って、逃げてるだけだったんだ...」
きん「全部、全部嘘なんだ...実体なんかないんだ。この涙も...この言葉もっ!」
なか「嘘なんかじゃない...逃げなんかじゃない...お前は俺の傍に居てくれた...」
きん「Nakamu...」
なか「運命なら俺が変えて見せる。みんなが、例え皆が拒んだって、絶対に逆らって見せる。」
きん「いや、運命は…変えられないよ。」
その時、俺は見た。
きんときの身体が青い光に包まれて段々色を失っていく。
形を失っていく。
きん「謝ってばっかりだね、Nakamu。そろそろ時間だよ…」
なか「駄目きんとき、消えないで…」
きん「今マデ、楽しかった...ずっと嫌ダッタ、嘘ヲツキ続けるのが…」
きんときの声が、機械の声が壊れた様に、一部ずつ上ずり続けている。
まるで終わりを告げているように。
なか「きんとき...」
きん「ごめんね、さよなら。」
俺は思わず手を伸ばしていた。
最後に彼に触れたくて。
なか「駄目!」
その瞬間、きんときの身体はホログラムのように薄くなり、
俺の手は彼の体に触れることができなかった。その腕は虚しく空を掴む。
きん「ありがとう」
優しい声が最後に聞こえた。
目の前で、親友が青い光の粒に成って水色の空に散った。
たった一つ、彼が今まで身に着けていた青いクリスタル、それだけを残して。
なか「きんときぃぃぃぃぃ!」
悲しい音色が、響いた。
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らっきー(プロフ) - ちょっと修正を入れました (2019年5月5日 5時) (レス) id: db40170fca (このIDを非表示/違反報告)
らっきー(プロフ) - ムックさん» 学級閉鎖おめでとう( ;∀;) (2019年1月30日 4時) (レス) id: db40170fca (このIDを非表示/違反報告)
ムック - 元気じゃない!弟の方がなぜか元気だよ!咳がヤバい、喉痛い (2019年1月23日 14時) (レス) id: 0c8dec5eed (このIDを非表示/違反報告)
らっきー(プロフ) - ムックさん» うん…知ってた…。ってか元気だね (2019年1月23日 3時) (レス) id: db40170fca (このIDを非表示/違反報告)
ムック - らっきーさん!お知らせだ!私インフルA(多分弟のせい)psメモは友達に言うから友達に渡してくれ (2019年1月22日 16時) (レス) id: fb1e724205 (このIDを非表示/違反報告)
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