翼のない鳥 ページ18
〜きりやんSide〜
苦しそうな息切れと、寒い冬の中、室内に吹き付ける風。
装置に繋がれ、身動きが出来なくなっているのは、他の誰でもない、シャークんだった。
とても…見ていられない。
この映像を見ているのは俺とスマイルだけだ、魔法の透視を使えるのは俺とスマイルしかいないから。
スマ「シャークん...なんであいつらは、速く力を取らないんだ?」
なか「そんなこと言うなっ…。」
Nakamuの言葉も、途中で切れる。
シャ「いい加減...諦めたらどうだ?俺は、どんなことをされても、言わないぞ...」
声までも生々しく聞こえてくる。
俺が...もっとしっかりしていれば...
こんなことには...
何故俺らの中でも最強のはずのシャケが捕まってしまったのか、それは少し前まで遡る。
…
ぶる「来たら駄目、Nakamu...」
食料がなくなってしまったので、隠れて一番近くの町に買い出しに来たんだ。
その途中で、ぶるーくが敵の罠に嵌ってしまった。
なか「でも…」
ぶるーくの足元で黒い光を放ち、大きな音を立てて喚き続ける魔法陣。
あっという間に人形兵に囲まれてしまう、しかしNakamuは諦めたくないのか苦い表情でぶるっくを見つめている。
きん「Nakamu、隠れて...」
すると。
シャ「離れろNakamu。」
低い声が、聞こえた。
シャークんは隠れ魔法を解くと、周りを見渡す。
シャ「ざっと15体ぐらいか...?」
するとシャケは、ぶるっくの魔法陣の上に手を当て、呪文を唱えた。
緑色に光ったその眼は、何を見ていたのだろうか...
ぶる「ありがとう...」
ぶるーくの足元の魔法陣は、音を立てて消えていく。
シャケはそのまま人形兵に向き直り...。 その時だった。
轟音と低い重低音が、夜の街に木霊した。
俺の眼に映ったのは。
禍々しい黒い光が、シャークんの体を包み、巻き付く、まさにその光景だった。
強力なタイプの、二重の罠だったのだ。
シャ「うわっ!」
きり「シャケッ!」
その時シャケは既に、全て悟ったのか。
さっきまでの余裕の表情とはうってかわり、真剣な表情で叫んだ。
シャ「来るなきりやん、これ、高等魔法の罠だ。たぶん敵の人間が来る...」
ぶる「駄目っ!」
ぶるーくも叫ぶ。だがどうすることもできずに。
「俺のことは心配すんな、後は任せた...」
これが、シャケが黒い闇に呑まれ消える前、最後に俺が実際に聞いた言葉だった。
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らっきー(プロフ) - ちょっと修正を入れました (2019年5月5日 5時) (レス) id: db40170fca (このIDを非表示/違反報告)
らっきー(プロフ) - ムックさん» 学級閉鎖おめでとう( ;∀;) (2019年1月30日 4時) (レス) id: db40170fca (このIDを非表示/違反報告)
ムック - 元気じゃない!弟の方がなぜか元気だよ!咳がヤバい、喉痛い (2019年1月23日 14時) (レス) id: 0c8dec5eed (このIDを非表示/違反報告)
らっきー(プロフ) - ムックさん» うん…知ってた…。ってか元気だね (2019年1月23日 3時) (レス) id: db40170fca (このIDを非表示/違反報告)
ムック - らっきーさん!お知らせだ!私インフルA(多分弟のせい)psメモは友達に言うから友達に渡してくれ (2019年1月22日 16時) (レス) id: fb1e724205 (このIDを非表示/違反報告)
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