呪い ページ6
〜シャークんSide〜
「っ！」
ふと、我に返る。
すると心配そうな顔で此方を見つめる瑠璃色の瞳があった。
「大丈夫？」
「ぶ、ぶる…助け…」
彼に助けを求めようとしても、声が震えて上手く出ない。
その時、ぽん、と肩に感触が生まれた。
「！」
「落ち着いて、深呼吸」
その何時もとは打って変わった彼の頼りがいのある声に安心させられ、俺は深く息を吸った。
胸の奥の黒いものが浄化されるような、そんな気がした。
「そう、ゆっくりはいて」
ふう…と息を吐き出した。既に恐怖は薄くなっていた。
「…ごめん、見苦しいとこ見せて」
「いいんだよ〜、シャークんはあの部屋入れないでしょ？ここで休んでて」
本当は俺も「行きたい」と思った。
俺だってスマイルを守りたい、と。
でも、俺はあの部屋には入れない。
怖くて、怖くて仕方が無い。そしてそんな自分が、愚かに見えて仕方が無いんだ。
「…俺も」
「いいからここにいてって！…僕はもうこれ以上、君たちが傷つくのを見たくないよ」
「！」
そう言って「だからここに居て」と、彼は少し寂しげに笑った。
〜きりやんSide〜
「スマイル！しっかりしろって！なあ！」
俺は彼の肩を揺らし、大声で叫び続けている。
はっと我に返り、彼の腕と脚から魔具を外す。
と、スマイルのなぜか異様に軽い体重が俺にかかった。
でも、彼は眼を開けない。
「なあっ…」
声の語尾が落ちる。
まさか、死んでしまったのだろうか。いいや、彼に限らずそんなことは有り得ない。
そんな葛藤が起こっていた。
彼の傷だらけの身体を揺らす勢いが大きくなる。
生きていて、とそれだけを願って手を握った。
「お願い…起きろよスマイル！俺…お前がいないと…」
消えてしまうかもしれない。その理屈の理由も確かにあったが。
少しその言葉が恥ずかしくなって、周りに奴らがいないかを確かめた。
そして再び彼に向き直る。ねえ、お願いだから起きてよ。
「頼む…一生の、お願い、だから…」
嗚咽が混じってしまう。
俺は、お前がいないと
駄目になっちゃうから。
そう、叫ぼうとしたとき。
「う…？きり、やん…？」
俺の願いが、叶った。
「っ！スマイルっ！！！」
ずっと握っていた手に、彼の力が微々たるものだが加わった。
俺は急いで彼を起こすと、まだ未熟な簡易治療魔法で、彼の身体を癒していく。
スマイルはまだ身体の各所が痛いのか、びっくりするほど小さな声で、たどたどしく言葉を綴った。
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すみれ - 完結からずいぶん遅れましたけど完結おめでとうございます!とてもいいお話でしたよ!最高のお話ありがとうございました (2022年10月19日 17時) (
レス) @page38 id: a70cb7c9e5 (このIDを非表示/違反報告)
らっきー(プロフ) - 更新遅れてほんっとにごめんなさい…。ていうか今日の掛けあい分かりにくっ？！ちゃんとスペース開けたのに…。 (2019年7月23日 20時) (レス) id: db40170fca (このIDを非表示/違反報告)
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