「黒の王」 ページ25
〜BroooockSide〜
「…あんたが黒の国の王様？」
一息置いて俺は訊いた。
あれから俺らはこの基地を再び探しまわり、此奴を見つけた。
「Yesと言ったら？」
「…殺す」
俺は自分でもこんな言葉が出てくるとは思わなかった。
でも親友を貶めた奴を目の前にして、心にも無い暴言が、口をついて飛び出す。
「じゃあ逆に俺も質問を返そう」
「…お前は何故この世界に来た？」
その目線は僕ではなく、僕の隣…、きりやんに向けられていた。
その言葉の裏の意味を察し、僕ときりやんは黙りこむ。
何故彼を危険にさらすかもしれないと分かっていたのに、こっちに来たのか。
「当たり前だ」
ぼそっと、彼は低い声で言った。
「あいつに約束したから。それが返答」
「…もう一つ質問。お前は自分の命の代わりにスマイルを開放する？」
「…Noと言ったら」
「殺して、スマイルを奪うっ！！」
躊躇無く、僕の代わりにきりやんが叫んだ。
驚いて隣を見ると、彼は琥珀色に光る瞳を爛々と光らせていた。
〜きりやんSide〜
「ぐあ゛っ！！！！」
「ぶるっく！！」
戦闘が始まって少しした後。
一番最初に疲れの色を見せたのはぶるっくだった。
その彼に、敵の雷が落ちた。
「大丈夫か？！」
彼のところに行っている暇はないので安否を確認する。
「…うん、こんなの全然痛くないわ」
余裕そうな声が聞こえた。
しかし。
「でもやばいな…」
此方は息切れ。向こうは余裕。
厳しい状況が続いていた。
〜NakamuSide〜
「なあ、Nakamu」
「…っ？！」
急に彼が口を開いた。
「俺、いないほうが、良いんだよな？」
「…そんな事」
攻撃を止め、部屋の隅と隅に移動する。
2人とも肩で息をしていた。
こいつはまだ本気を出していない、そう思った。
シャケの時と動きが遅すぎる。
「なあ、教えてくれ。俺は不要だよな？」
「必要だよ」
「どうしてそう言える？」
「それは...」
言葉に詰まる。何故だ？俺は本当に彼を必要としているのに、俺らと一緒にいて欲しいのに、言いたかった感情が、言葉が、何故か出てこない。
「ほら、なっ…？」
駄目だ。
その声が、悲しく頭の中に響いて。彼の悲鳴の様な、最後の強がりの様に聞こえて。
どうしても傷つけられ無いじゃないか。
「…止めろ」
「驚いたよ。今のお前は、シャケより強い…」
「…」
「だから、彼奴らを助けに行ってくれよ」
「でもお前は」
「俺は、こうする」
彼は自分で自分の首にナイフを付けた。
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すみれ - 完結からずいぶん遅れましたけど完結おめでとうございます!とてもいいお話でしたよ!最高のお話ありがとうございました (2022年10月19日 17時) (
レス) @page38 id: a70cb7c9e5 (このIDを非表示/違反報告)
らっきー(プロフ) - 更新遅れてほんっとにごめんなさい…。ていうか今日の掛けあい分かりにくっ？！ちゃんとスペース開けたのに…。 (2019年7月23日 20時) (レス) id: db40170fca (このIDを非表示/違反報告)
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