46話 - 恋 ページ46
『ほら〜もう!これ以上飲むな!水を飲め水を!』
皆から酒を奪い取り水の入ったコップを机の上に叩きつける。
ブーイングを食らったが、関係なしに酒を取り上げ別の場所へ置く
私が言うのもあれだけど過度な摂取は身体を壊しかねない。
両手を腰に当て、三人を上から見下ろす形になり辺りを見回すと、景の姿がなかった。
途中までは一緒に飲んでいたはずが知らぬ間に居なくなっていて、ふと私はベランダの方に視線を向けた。
ベランダからは白い煙が上がっていて、私はその煙へと近づき扉を開けた
『………景。』
諸「んっ……A…もういいの?」
『うん………景、タバコ吸うんだ』
諸「ほとんど吸わないけどね」
そういいながら煙草を口に近づける景の隣へと並ぶ。
私が来たからか、タバコの火を消し最後の煙を吐いた
諸「A、目…赤いけど、泣いた…?」
『えっ…!?』
諸「ほらこの辺赤くなってる」
『わっ、ぁ……ぅ…、ん…っ………』
目元を指で撫でられ、敏感になっているのかくすぐったくて目を細める
萩達も一瞬で、私が泣いた事なんて分かってなかったのに、辺りも暗くて色の濃淡なんて分からないはずなのに……景は…いつも私の事を見透かしてくる………本当にずるい…
『っ…ひ、景ッ…くすぐっ…たい、よ………』
諸「あっ、あぁ……ごめん。」
『…………景は…タバコ…好き?』
諸「えッ、あ〜………どっちかと言えば好きかな…」
『お酒は?』
諸「嗜む程度には?」
『料理は、好き?』
諸「ん〜、好きかな……主に食べてくれる人が好きって部分もあるけど…」
『……じゃあ音楽!音楽は好き?』
諸「ッはは、なんで音楽…?」
『今思い浮かんだから!』
諸「なるほど………好きだよ。音楽」
『…………じゃあ、私は…?』
諸「!…………どうだと思う?」
『ッえ!?えっ、あ、えっと……ッ…………す…好き…』
諸「だと思う?」
『ッ…』
ベランダの柵に腕を置きながら顔だけを私に向ける。そんな景にゆっくりと顔を頷かせた。
その反動か、身体も顔も…全部が熱くなっていく……
諸「好きだよ。Aの事……ずっと前から。」
『っ…!』
諸「Aは、オレの事好き?」
『ッッ〜〜〜…!あ!うッ…!だッ、大好きッ…!』
諸「……ッははは!うん、オレも…。」
『ぇ、あっ……』
景の手が、私の頬にふれ、距離が徐々に近くなり、唇が触れた…
景との2度目のキスはタバコの味がした……
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ネコ枕 - 景光落ち最高です..話も面白くてすごい好きです!! (1月14日 2時) (レス) @page47 id: eb7a4a6b55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みらい@マサイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mirai1212
作成日時:2023年12月6日 19時