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35話 - 記憶の欠片 ページ35

零と景がそんな話をしているなんて露知らず、
私は今覚えている分だけでも、と。皆が仕事に出掛けた後、紙に書き起こす事にした。





『ん"〜〜…………ダメだ!これ以上出てくる気配ないやぁ!』





木で作られた椅子の背もたれに背中を倒す。
ギッと軋む音が聞こえ鉛筆が机の上を転がった。

………いつ見てもこの部屋には何も無い
殺風景で、何色にも塗られてない真っ白な空間みたいに





『白…白ねぇ…………あっ、そういえば景に教えて貰ったけ…』

(景「" 色で関連する物って、瞬時に出た物が1番深く残ってる物らしいよ。暇がある時にやってみるのもいいかも "」)

『ん〜………赤は血、青…空、黄…花、緑…草、白…白衣、黒…視界……』





一通り思い付く色を思い出して見たけれど、特にこれといった物はなかった。
血と視界だけが少し感じる部分はあったが、それ以外はきっと皆と外に出た日の記憶だろう。
もしかすると、怪我は血・立ちくらみは黒と認識しているのかもしれない





『白衣って、どこかで見た記憶があるのかな……』





今まで見たことの無い物が、唯一白衣だけだった。
血は何度かみたことがある。

零がよく怪我して帰って来てたから、その手当を景か私がしてあげて……いつも…………あれ、でも零って1度も……





『怪我なんてした事なかった……』





私が零と出会ってから零は一度も怪我をして帰ってきたことなんてない…

そうなるとその記憶は私が記憶を失う前の物…
でもその映像が思い浮かばない。そんなことがあったな。程度のものだ
だとしても、私は少なくとも記憶が戻りつつある。





『今はぼんやりとだけど…きっともうすぐ………』





もうすぐ全てがわかるはず…
過去の皆との記憶も、経験してきたことも全部……

36話 - 勇気→←34話 - 騎士の覚悟



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ネコ枕 - 景光落ち最高です..話も面白くてすごい好きです!! (1月14日 2時) (レス) @page47 id: eb7a4a6b55 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みらい@マサイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mirai1212  
作成日時:2023年12月6日 19時

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