33話 - 2人の騎士 ページ33
降「……それでどうするんだ。景」
諸「………」
班長には今日は泊まってもらう事にし、皆が各自部屋に戻った後、僕と景はリビングに残り、松田が出した提案について結論を出す為に話すことにした。
松田の提案は一番効果的だとは思う。
ただ、コナン君に僕達の正体を知られると、今後組織内でも動きにくくなる事になる。
公安という立場を守りながら、組織に潜入する事は大勢の手綱を握り僕たちの行動次第で多くの首が飛ぶことだってある。
そんな中、コナン君に情報を漏らすのはリスクが高すぎる…
諸「…零だけに、先に言っておかないといけない事があるんだ」
降「それは組織に関する事…なんだな」
諸「……………Aは、組織の人間だったかもしれない。」
降「……は?」
深刻そうな表情を下に向けたままポツリと景が呟いた。
その言葉を聞いた瞬間、思考が一時停止した。
降「……で、でも。Aの姿なんて一度も…!」
諸「オレと零が一度Aに合った時があっただろ…その時に、奴が…エチルがAをこう呼んだんだ………”トニック”って…」
降「トニック……それって…!」
諸「そう…ベルモットが言っていた、試薬の為のモルモットの名前だ」
降「じゃ、じゃあ…Aの行方が分からなくなった時…あの場所にAも居たっていうのか…?」
諸「多分、実験台として扱われていたんだと思う…ずっと、2年間も……」
降「そんな……それならAの記憶が戻ったとなるとAが………」
諸「…………」
衝撃の事実に冷たい空気が流れた。
景が皆との話し合いで、最後静かに聞いていた理由がようやく分かった。
Aが記憶を取り戻すことに賛成だった僕も、事実を知り今の状態で居た方がいいんじゃないか。と思わされる…
諸「でも、Aは記憶を戻したいって…自分の意志で決めた……なら、それを尊重したい。」
降「それは記憶がない状態でだろ!?」
諸「わかってる…」
降「それならAにとって記憶を取り戻す事はどれだけ負担になるか!!」
諸「……わかってる。」
降「ッ〜〜〜!とにかく僕は反対だ!!」
諸「零…!」
リビングを去ろうとする僕の腕を景に捕まれる。
諸「オレ達の感情でAの覚悟を踏みにじっていいわけがないだろ!」
降「それでもお前はAに辛い思いをさせろっていうのか!?」
諸「なんの為にオレ達が居る!そんなAを守る為だろうが!!」
降「…ッ!!」
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ネコ枕 - 景光落ち最高です..話も面白くてすごい好きです!! (1月14日 2時) (レス) @page47 id: eb7a4a6b55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みらい@マサイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mirai1212
作成日時:2023年12月6日 19時