27話 - 心臓の音 ページ27
どんな質問が来るんだろう。と何処かドキドキとした気持ちで身構える。
降「A。ここに来て良かったと思うか」
『………思ってるよ。私がどんな状況だったのかは分からないけど…助けられたのが皆で良かったって…心からそう思う……』
降「…………今後、Aはどうしたい。」
『…………それは、っ……わッ、!私は皆とずっと一緒に居たい!……………………でも……』
降谷くんの質問に、ドクンッと心臓が一際高く跳ねる
遠の昔に同じような体験をしたシーンが脳裏に呼び起こされたからだ。
私の意思を尊重したい。と初めは思った……でもマイナスな記憶がそれを覆い隠した。
私がどうしたい。と言うより、私を何処かにやりたい事を遠回しに言われているような気がしたんだ…
『皆が私に離れて欲しいって思うなら……私…は……ッッ…私ッ…』
降「…………A。触れてもいい。」
『………ッう…うん』
さっき、私に触れなかった手が…私の肩を抱いた。
今まで降谷くん以外に触れられた事はあった。でも、皆とは違う触り方にぎゅ〜っと胸が締め付けられる。
触れた所が熱い……
降「僕達はAを絶対に見捨てないし、ずっと傍に居る……」
『う……ん………』
降「最初、Aに触れた時拒否されたんだ。それからまた拒否されるんじゃないかって、怖くてAに触れられることが出来なかった……」
『………………そんなことッ── !』
その時の記憶は覚えてないけれど、そんな事ない。って否定しようと声を上げ降谷くんの顔を見る為離れようとすると再び肩を強く抱かれた。
降「こんな事なら、もっと早くAに触れていれば良かった」
『ッッ…!』
どうしよう、降谷くんの身体から心臓の音が伝わってくる。
それに合わせて、私の心臓も早くなっていく。
身体に…響く……
『あ…のッ……降谷くッ…』
降「もう少し」
『ぇ…ッ……』
降「もう少し、このまま……」
『っぅ……ッ………ぅぅッ……』
この空間、体温、心音…全てに…………
ドキドキする─────
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ネコ枕 - 景光落ち最高です..話も面白くてすごい好きです!! (1月14日 2時) (レス) @page47 id: eb7a4a6b55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みらい@マサイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mirai1212
作成日時:2023年12月6日 19時