1/2222の奇跡を【ヒロアカ】

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こっちが気を使っているのが馬鹿らしくなるくらい、轟君は無反応だった。


その方がありがたいっちゃありがたいこともある。


「爆豪と轟もだけど、喩語も強さで言えば相当だよな」


他者の会話の中で突然自分の名前が出てくると驚くのは私だけだろうか。


どうやら個性の話で盛り上がっていたようだけど。何の反応も示さないのはおかしいし、かと言ってあまり不自然に謙遜するのも変か。


「その2人と並べる程、便利でもないよ？」


結果利便性の有無について話すことにした。


「えー意外！ でもそう言えば前に、気まぐれな個性って言ってたね」


ああ、個性について聞かれた時に大体そう答えてるからね。不思議なことに、個性を擬人法で話すと納得してくれる人多いんだよなぁ。


「もう着くぞ、いい加減にしとけよ……」


ハイ、と返事をする。


さて、今回も来るのかなぁ……来るよなぁ、敵。


ヤバい、また心臓が喧しく鳴き始めた。大丈夫、3人体制で見てくれるって言ったじゃない。大丈夫だから、落ち着いて。


「Aちゃん、顔色が悪いわ。大丈夫？」


梅雨ちゃんに心配を掛けてしまった。バス酔いしたと伝えておくと、背中をさすってもいいかしらと聞かれる。


大丈夫、って言えるはずなのに何故かお願いって言ってしまった。


その大きな手は優しくて、酷く安心したのを覚えている。そう長い時間さすってもらったわけでもない。ほんの数回、そうしてもらっただけなのに、いつの間にか動悸は安定していた。


「きっと、ナーバスになっているんだわ」


「そうかも、ありがとう」


「Aちゃんなら、きっと上手くやれるわ。頑張りましょう」


うん。


私が頭を縦に振ると、彼女はケロ……と笑ってUSJ内に入っていった。


……怪我人が数人、この訓練で出るはずなんだ。


まずは少なくとも教師2人。恐らく相澤先生と、スペースヒーロー13号。


でも今回は3人いるから……


USJ内に入って、相澤先生と13号を確認した。でも、後1人。


「オールマイトは……？」


丁度相澤先生が13号にその事を聞いていたので、聞き耳を立ててみる。


「通勤時に制限ギリギリまで活動してしまったみたいで、仮眠室で休んでます」


……なんてこと。

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