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episode23 ページ26
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『忘れられません。
そんなことできるはずないじゃないですか。登坂さんは心からその方を愛していたんですね。
だから今でも苦しんでいらっしゃる』
私の言葉が耳に届いたとき登坂さんが見せてくれたのは、あの優しい表情だった。
「ありがとうな、聞いてくれて。」
そう言い残すと席を立ち、店を出て行った。
去り際、彼の頬に一筋の雫が流れていたことを私は見逃さなかった。
きっとすごく優しいヒトなんだろうな。
この数分間だけでそう思った。彼女の話をしている時の登坂さんの顔は、見たこともないくらい綺麗だった。
奥さんと話すために来たのだったがそんな気にもなれず、帰ろうと思い伝票を手にしようとしたが...無かった。
『え??』
焦って探していると、奥さんが出てきて「さっきの先輩さん?が、払って行ったわ。貴女にありがとうって伝えてくれって。
お礼言っておくのよ〜」と教えてくれた。
デキるオトコ。
やっぱり三銃士は抜かりない。
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作者名:さえ | 作成日時:2019年5月26日 10時