ページ９ ページ9
.
瑞稀くんと別れて、再び足を進める、……けど、飛貴が動かない。
『飛貴？』
「……引っ張ってくれないと動けない」
何言ってんの、置いてくよ？
いつもなら、そう返すんだろうけど、いつもよりワントーン暗い声で俯いてるから、
『ホント、飛貴はめんどくさいね？』
お望み通り一回離れた飛貴の左手を取った。
すると、パッと顔を上げて表情を輝かせた。
……なんか、騙された気分。
「ふふん、じゃあ帰ろ？」
『テンションの起伏が激しいな？！』
「え？そんなことないよ？」
急にご機嫌な飛貴に手を引かれるまま、家に向かう。
同じ中学だったからそれなりに近所ではあるけど、全く同じ方向という訳では無い。
じゃ、ここで、と解こうとした手はなかなか離してもらえなくて。
「送ってくよ」
『大丈夫だよ、明るいし』
「だーめ、まだ……」
『ん？』
なんもなでもない！と返されて誤魔化された。
そういえば、と話題が瑞稀くんに移り、
「瑞稀くん？瑞稀先生？って、どういうこと？」
『瑞稀くん、近所のお兄ちゃんで、……私の成績を見かねて家庭教師してもらうことになったんだよね』
「へえ、」
自分から聞いたくせに、興味無さそうな、不服そうな表情を浮かべる。
「……勉強なら、俺が教えてあげられるのに」
ぼそっと飛貴が呟いた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1432人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HiHiJets」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kiyoko__KING(プロフ) - 瑞稀くんの俺様帝王感ツボです。いつも癒しありがとうございます。 (2019年4月21日 0時) (
レス) id: e9d1effcf1 (このIDを非表示/違反報告)
ろんさん - 井上瑞稀くんが好きで読んでみました。同級生とかの話もすごく好きなんですが、瑞稀先生...（言ってみたかった）..めっちゃアリだぁー と楽しみながら読んでました！アオさんのＤｉｓｔｉｎｙも読みました！とても感動しました！次の投稿楽しみにしてます！ (2019年4月15日 18時) (レス) id: e75be039f5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アオ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=blueao5&scr=novel/jeyuto01...
作成日時：2019年4月14日 16時
