27話 ページ27
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無理もなかった。先日酒の席で、私が鬱くんに対して少々行き過ぎたボランティア活動をしているというのはショッピくんにも言っていたけれど、彼はそこまで本気にしていなかったようで。
訝しげに眉を寄せるショッピくんの質問攻めに、私は律儀に答える他ない。
「え、じゃああの人が家に来る日は毎日飯作って待っとるんすか？」
「まぁ…そうですね」
「うせやん……でも付き合ってはないって」
ないよ、と否定してみたけれど、自分で言っててやっぱり奇妙だった。
なんの関係もないただの幼馴染のために夕食を作って提供し、家に泊まるまでがワンセットのこのよく分からない現状。
でも、私はそれら全て一概に嫌ではない。寧ろ鬱くんと共に居心地よく満足している。だからこそ、本気で「家帰れ」とも言えないのだけど。
「じゃああの人が外で遊んどる日はどうしとるんです？待っとるんすか？」
「や、そういう日は家来ないから」
「え、それめちゃくちゃ最悪ちゃう？」
素のトーンで呟かれたショッピくんの言葉に肩を竦める。ご最もだと思い、返す言葉も見当たらなかったから。
確かに最悪だった。どうせならずっと家に入り浸ってくれたほうがまだ内心穏やかで居られるのに。でも、私には鬱くんを縛る権利もないのだ。
だけど鬱くんの来ない日、確かな喪失感と共に、私は至極単純に『寂しいなぁ』とまで思ってしまっているのだった。
小さく息を吐き出せば、隣のコネシマくんは「せやからさっさと付き合えよ、もう」とお決まりの言葉を私に投げかける。
と、それを聞いたショッピくんはえらくハッキリとした口調で言う。
「いや、それは俺的に都合悪いんで辞めてください」
「なんや、えらい積極的やん。コイツの何がそんなによかってん？」
あ、今のってやっぱりそういうこと？とコネシマくんの言葉でようやくショッピくんの言葉の意図が読み取れたものの、読み取れたところで私はプチパニックなのだけど｡
私を置いて勝手に話を進めている二人を尻目にぼんやり考える。
この間触れた鬱くんの嫉妬心を考えれば、鬱くんはきっとこの展開は望ましくないんだろうなぁ、と少しだけちくりと胸が痛んだ。
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赤月セレン(プロフ) - コメント失礼します。物凄くお話にのめり込んで一気に読んでしまいました…とても良くてもう好きです（笑）tnさんの方の小説も楽しみに読ませて頂きますね。素敵なお話をありがとうございます、更新お疲れ様でした。 (2021年3月6日 22時) (
レス) id: f86cb701a2 (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - ずきゅん (2020年8月28日 1時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
おいちこ(プロフ) - 完結おめでとうございます＆ありがとうございますっ！！凄い、素敵でした...2人が幸せに結ばれて、私も幸せですぅ...ニヤニヤ止まんなかったですぅ...新作も読ませていただきますぅぅ...!!!!更新、頑張ってください！！ (2020年4月25日 13時) (レス) id: 5a28085a2a (このIDを非表示/違反報告)
やち(プロフ) - 完結おめでとうございます！生活感のある日常に散りばめられたもどかしさと時々挿まれるドキッとする描写のバランスがたまらず、更新のたびにとても楽しく読ませていただきました。ゆららさんのsyp君がまた素敵で転がるほど好きでした…！次回作も楽しみにしています！ (2020年4月25日 6時) (レス) id: 6f58a85157 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - かげでこそこそと見させて頂いておりました。なんとも言えない大人のもどかしさがまた純愛のようなものが感じられてとても良い作品でした。完結おめでとうございます。 (2020年4月25日 2時) (レス) id: bbf23e1c65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年3月22日 1時
