【男主】疲れるくらい愛されてます。 (ページ14)

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正門side

『誘ってくれてありがとうございました』

正門「こちらこそ、誘いに乗ってくれてありがとう」

『でも、なんで誘ってくれたんですか』

惚れたから…なんて言えへんわ、流石に。

正門「普通に、西野くんと仲良うなりたいんよ」

『俺なんかより他の同期の方が何倍も魅力的で、何倍も愛され体質なのに…正門くん、変わってますね？』

はじめて俺だけに向けられた笑顔。それはそれはもう自虐的な笑顔だった。
目に光がないように見えたのに、なぜか俺には眩しく見えた。

正門「西野くんだから、そう思ったんよ。それ以外理由なんか何も無いで」

『正門くん…』

正門「とりあえず…その涙拭いたら、色々注文しよか？」

『…本当に、ありがとうございます』

それからは時間が進む度にAの表情が明るくなって、「ああ、今の笑顔も俺だけのものやんな」とか思って舞い上がってしまって。

それと同時に、もっとAを知りたいと思ってしまった。

『ごちそうさまでした。本当に良いんですか？お金…』

正門「ええよええよ、元からその気やったし。

なあ、連絡先交換したいんやけどええかな」

『いいですけど、正門くんが俺のことAって呼んでくれるようになるまでは駄目です』

正門「えっ、」

『今はまだ西野くんで良いですけど。

あ…調子乗りすぎちゃいました、ごめんなさい。あの、なんというか、その、生意気なこと言えるようになっちゃうくらい今日めちゃめちゃ楽しくて。

でも、ここで連絡先聞いたら、メールでも良いような事だと直接会話しに行くの辞めとこかなとか考えちゃうかなーって思って、とか…その…』

正門「ははっ、分かった。可愛ええとこあるやん、西野くん」

『ここは名前で呼んでくれるところじゃないですか、悪い先輩やなあ』

正門「そんな悪い先輩といるの楽しんでるのはどこの誰ですか？」

『ほんまにずるい先輩ですわ、正門くん』

そうやって上目遣いしながらニコニコしてくれるAの方がずるい人やで、なんて事は今もまだ言えていない。

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