【男主】疲れるくらい愛されてます。 (ページ13)

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雑誌を見た正門ページ13

正門side

家に着いて、コンビニで買ったものを袋から取り出す。

食べ物や飲み物ばかりの商品の中で1つだけ異質な雰囲気を放っている、今流行りのモデルさんが表紙を飾る雑誌。

中をパラパラとめくって、Aを探す。

あ、おった。
「クラスのイケメン同級生」やって。
なかなかかっこよく撮ってもらえてるやん、流石やなあ。

自然と口角が上がるのが分かってニコニコしながらページをめくっていると、ついにインタビューの内容が載ったページにたどり着いた。

「気になる子へのアプローチは？」という質問を読んだ時、少し驚いたものの俺のニヤニヤ度は2割増し。

なんでかって？

Aと俺が距離を縮めたきっかけにめちゃめちゃ似てんねん。

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ちょっとだけ昔話をさせてほしい。

ここだけの話、Aは入所当初こそ14年組を引っ張る存在だったが、その役割はいつしかAからいわゆる“信号ブラザーズ”に変わっていった。
あの3人の後ろでAが後輩に混ざって踊ることも少なくはなかった。

レッスンの時も基本は笑顔やけど、休憩の時に一瞬だけ人が変わったように笑顔が消えて。

我ながら汚い奴やなって思うけど、
俺はAのその顔を見て、二面性に惹かれて。

どんどん心臓の動きが早くなってくのが分かった。
キツいレッスンのせいにしたかったけど、無理やった。

今でこそ慣れてきたけど、実る可能性の低い恋をどうやっても誤魔化せんのはなかなかしんどいのよ？

で、その顔に惚れたのは事実やけど、やっぱりどうしても“先輩”としては心配になるからどうにか話を聞きたくて。
…あわよくば、それで距離が縮まればええなーなんて。

正門「なあ、西野くん」

『え…あ、はい！』

当時のAは凄く人見知りで、そのくせニコニコするから先輩と話す時にはめちゃめちゃ体力を使ってしまうような子やった。

正門「ごめんな、急に。前にまいジャニで焼肉好きって言うてたから、最近美味しいところ見つけたし今度どうかなーって思って…」

『今度…。

今日じゃ、駄目ですか』

正門「あっ、じゃあ、レッスンのあと5分だけ待っといてくれたら…」

『分かりました、ありがとうございます』

レッスン再開後に「やけに積極的やん」とちょくちょく同期にちょっかいをかけられたけど、嬉しすぎてそんなんどうでもよかった。

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