(30)強さゆえの弱さ ページ32
.
その音から衝撃波が生まれ、体内で痺れが生じると共に、振動を感じた
まるで、体の中で地震が起こったかのように。
七海はその攻撃で口や鼻から血が流れ出てきて、隙が出来たのを見逃さなかった呪霊が七海を襲う
殴り飛ばされた七海だが、受身を取って対処して返り討ちにと呪霊の顎を鉈で打ち付けた
その呪霊の顔が跳ね上がり、トドメを刺すチャンス
いつもならAがトドメを刺す____ハズだった
ポタ… ポタ…
どろりと、Aの耳から流れた血
更には、か弱い咳と共に血が吐き出される
ふらりと倒れかかったが、自身の剣で身体を支えてなんとか持ちこたえた
七海はその様子を見て理解した
振動で攻撃を受けると共に、Aの鼓膜が破れたのだ、と
Aは自身の術式により、聴覚が強化されている
その上、特級呪霊に意識を注いで戦いに臨んでいた
だから、音による攻撃には誰よりも_____弱い
その瞬間の空気の歪みを、特級呪霊は狙った。
手負いで音に弱いと見破られたAに突っ込んで行く
「Aさん!!」
「ギィィイイアア!!!」
奇声がまた耳にこびり付く
しかし、その音は狗巻が使う呪言対策と同じように、耳に呪力を出演している集中させれば問題は無い
狗巻の術式を理解しているAならば、この方法を思いつくのは容易だが、Aはそれをしていなかった
鼓膜が破れて聴こえなければ、塞ぐか塞ぐまいかはどちらでもいいからだ
なんとか身体にムチを打ち、持ち前のスピードで呪霊の懐に滑り込んでその腹を大きく切り付ける
「──黒閃」
その隙に七海が呪霊の背後から、重い音が病院内に響き渡らせた
.
1433人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ほやっく(プロフ) - souさん» コメント嬉しいです〜!!読んでくださりありがとうございました!!! (2022年1月23日 10時) (レス) id: f8046942e5 (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - 完結おめでとうございます!お疲れ様です!私も恵くん大好きなのでオチが恵くんでとっても嬉しかったです!! (2022年1月22日 21時) (レス) @page40 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ほやっく | 作成日時:2021年3月3日 19時