ブーゲンビリア【黒】

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目「お先失礼します、お疲れ様です」









午後18時、定時になれば目黒くんは足早に帰り支度を済ませる。









「目黒さん！お疲れ様です！









今日ご飯行きませんか？」









よく見かける栗色のロングヘアの子。
確か、さっき差し入れしていたのもこの子だった。









目「ごめんね、時間がないんだ





じゃあね、お疲れ様」









申し訳なさそうに眉を下げそう言ったあと、目黒くんは去っていった。









(そういえば誘いに乗っているところは見たことないなぁ)









なんてその光景を眺めていれば、









「Aさん、ですよね？」









と話しかけられた。









『そ、そうですけど』









「私、上野って言います」









申し訳程度のさっぱりとした自己紹介。
上野さんは私に一歩二歩と近づき、鋭い目つきで真っ直ぐに私を見た。









上「目黒さんって彼女いるって言ってませんよね？」









『いるって聞いたことはないですけど……』









あまりの迫力に思わず後退りする。









上「はぁ……、そうですよね。









教えてくれてありがとうございます、お疲れ様です」









上野さんはそう言い残すとそそくさと去っていった。









嵐のような一瞬の出来事だった。









向「あれは……、めめガチ勢やな…」









『うん、ちょっと怖かったね……』









思わず、その場居合わせた向井くんと顔を見合わせた。









…

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