ブーゲンビリア【黒】

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『目黒くんって結構お酒強いんだね』









飲み始めて大体一時間くらい経った頃。
私は少しほろ酔い気味だが目黒くんは顔色ひとつ変わっていない。









目「んーー、






強いかどうかは分からないけど人前で潰れたりとかは無いかな








まぁでもそもそもあんまり飲みに行かないかも」









『そうなの？』









目「うん、妹に飯作らないといけないから。








だからいつも急いで帰ってんの」








『そうだったんだ……』









目「今日は友達とご飯食べてくるって言われてたから、たまたま大丈夫だったんだ」









お母さんは幼い頃に病気で亡くなり、お父さんと妹さんと三人暮らし。









お父さんは出張続きで家に全く帰らないため、家事全般を目黒くんが担っているとか。









(なんだか、見た目で判断してた自分が恥ずかしいな……)










さっきまでふわふわしていた気持ちが一気にスーッと落ち着いた。









そして、目黒くんに対して反省の念が押し寄せる。









『ごめんね、私勝手に目黒くんのことモテてて遊んでる人だと思っちゃってた＿＿＿










朝出勤する時に女物の甘い香水の匂いがするし、やたらとモテるし










一方的に苦手意識持ってた………』










酔いが回っているからか、スラスラと出てきた反省の言葉。










今言ったことに嘘はひとつも無かった。










でも言った後にまた後悔の念が押し寄せてきた。








(これ言わなくても良かったよね……)










わざわざ傷つけるようなことを言ってしまった。
お酒が回っていると余計なことまでスラスラと口から出てきて本当に困る。
なんだか目が合わせられなくて俯いた。










目「正直に話してくれてありがとう。








でもね、俺気づいてたよ」










『え？』










思いもよらない言葉に思わず顔を上げる。









すると、目黒くんはあまりにも優しい目で私のことを見ていた。










…



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