ブーゲンビリア【黒】

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…









定時の時間になった。









無事資料も作り終え、あとは帰るだけ。









向「さぁて、帰るか〜」









向井くんと帰り支度を進めていると、









上「目黒さんっ」









上擦るような高い声が背後から聞こえてきた。









(げっ、上野さんだ)









その瞬間、向井くんとアイコンタクトを取り上野さんと目黒くんから距離をとった。









相変わらず時間さえあれば目黒くんに猛アタックしている上野さん。









その存在を認識してからその行動を見ていれば、私と向井くんも徐々に上野さんのことが苦手になってきていた。









向「めめガチ勢のお出ましやな」









『ほんと、毎日懲りないよね』









帰り支度を手早く進めて目線すら合わせない目黒くんに上野さんはしつこく話しかけている。









上「私、髪切ったんです。









似合いますか？」









確かに、前までは肩の下まで伸びていた栗色の髪が肩に着くくらいまで切り揃えられている。









(人のことよく見てるって言ってたし、









ここは爽やかに似合ってるねって返すよね)









しかし、目黒くんはそのセリフを聞いて上野さんをまっすぐ見つめると、









目「あれ、上野さんって前からその長さじゃなかったっけ……？









じゃ、急いでるからごめんね、お疲れ様









Aとこーじ君もお疲れ様、また明日ね」









とサラリと言い、そのまま帰っていった。









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