ブーゲンビリア【黒】

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阿「うわぁっ！ごめん！流石に話し過ぎた！」









時刻は深夜2時。









今日は別に華金とかではないから普通に明日も仕事だ。









『謝らないでよ、誘ったのは私じゃん』









阿「でも……、









よし！じゃあ今日は俺が奢るよ」









申し訳なさそうに眉を下げた阿部ちゃんは伝票をスッと手にした。









『えっ、そこまでしなくてもいいよ』









いつもは割り勘だからこちらも急に申し訳なくなる。









阿「そうしないと俺がスッキリしないから、ね？」









私より背が高いはずなのに完璧かつ効果抜群な上目遣いでのお願いポーズ。









阿部ちゃんはやっぱりあざとい。









『うっ……、参りました』









さっきまでマニアックなトークをかましていた人とは思えない可愛さに圧倒され仕方なく頷けば、阿部ちゃんは満足そうに微笑んだ。









阿「ふふっ、じゃあ行こっか」









お互い少しフラつきながら夜の道を歩く。









『ありがとうね阿部ちゃん、なんかスッキリした』









阿「こちらこそ、俺の長い話聞いてくれてありがとう。









じゃ、またね！」









家に着いたらメッセージ頂戴ね？とこれもまたあざとく首をコテンと傾け、阿部ちゃんは言った。









『うん、わかった。



またね！』









手振って別れたあと、お互いの帰路につく。









少し酔ったままでふわふわした気分。
今日絵里さんや阿部ちゃんに言われたことが頭によぎりふと考える。









もし自分が、勝手に相手に容姿から中身を判断されて苦手意識を持たれていたらどう思うか。









(私だったら、そんなの嫌だよなぁ)









過去と決別するいい機会かもしれない。
少しずつでいいから歩み寄ろう、そう思った。









…

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