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73-どっちの方が好き? ページ23

数年前の誕生日、サボがピアスをくれた。

金色のシンプルな短冊型の飾りが揺れるキャッチのピアス。

それが凄くお気に入りで、違うピアスを買っても結局サボから貰ったピアスばかり付けてしまう。



ローが触る度にカラン、と大振りの飾りが揺れる。





「…今度、俺と同じピアスを姉様にプレゼントする」

『ローと同じ?』

「あァ、嫌か?」

『まさか!お揃いか、いいね』





昔はお揃いの物をローにプレゼントしたら恥ずかしいからやめろと嫌がったというのに。

今はむしろお揃いを持ちたいと思っているようだ。



そんな弟が可愛くて仕方ない。



ローの手を触りながら少し高い肩に頭を預ける。

そして話はロシナンテのことに戻った。





『……ロー』

「ん?」

『ローがドラゴンさんにお礼を言ったみたいに、私もコラさんにお礼言いたかったな』

「…そうか」

『だってコラさんがいなかったら…ローは生きてないじゃない。

だから……“ローのために頑張ってくれて、ローを愛してくれてありがとう”って…直接会って言いたかった』





もう、それは叶わないけれど。





「……コラさんに姉様のことを話した時、コラさんも姉様に会ってみたかったって言ってた」

『そっか、同じだ』

「そうだな」

『……ドジだけどとても優しい人だったのね』

「あァ……今でも大好きな人だ」





そう言うローの言葉がとても優しさを帯びていた。



少し、ほんの少し嫉妬した。

だから意地悪な質問を。





『じゃあローは姉様とコラさんどっちの方が好き?』

「!?」

『ね、どっち??』

「……それ、は…どうしても答えなきゃダメか」

『うん、気になる』





それっきりローは沈黙してしまった。

顎に手を当てて本気で悩んでいる顔をしている。



悩むということは甲乙つけ難いということ。

それ程両者のことを本当に大切に想っているのだと分かったのでAとしてはもう十分だ。





『ごめんねロー、無理して答えなくていいよ。

意地悪な質問したね』

「……俺にはどっちも同じくらい大切で大好きだって答えしか出てこなかった」

『ん゛んっ…ありがとう、姉様もローのこと大好きだよ』





Aにとって十分すぎる答えだった。

大人になった弟に今でも愛してもらえてるのが伝わってきて本当に満足だ。





「なァ、姉様はあの日、最後に俺に愛してると言ってくれたな。

今その返事をさせてくれ」









.









────俺も愛してるよ、姉様。

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エースファン - 最初から拝見してます!とても面白いです。更新頑張ってくださいね、応援してます (2021年10月3日 21時) (レス) id: e23982275e (このIDを非表示/違反報告)
KOMA(プロフ) - 素敵な話です!応援してます! (2021年10月3日 16時) (レス) @page39 id: 2f9b06972b (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - ローぷうちやんがハート海賊団のつなぎきてみたいだつてなかまになりたいじやないかな (2021年9月28日 18時) (レス) id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - ぷうちやんありがとううれしいよつなぎきたいならろーにたのんでみたら (2021年9月28日 18時) (レス) id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - わたしはただローのあねさまとしてして大好きなおとうとローまもりたいだけ (2021年9月17日 17時) (レス) id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年9月9日 23時

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